朝から寒いです。
表に出てみると、車のフロントガラスに白く薄い雪の層ができてました。
さすがに地面に積もってはいませんでしたけれども。
ところで、みなさん「キャデラック・レコード」という映画をご存知ですか?
実際の名前はチェス・レコードというのですが、シカゴに黒人音楽ばかりを扱うレコード会社が実在してました。
このチェス・レコードを、映画ではキャデラック・レコードという名前にしてるのです。
まだ黒人に対する人種差別が当たり前のように存在した時代です。
そのレコード会社の経営者は、時代的に当たり前なのですが、白人です。でも、黒人音楽が大好きなんです。
映画の中で社長を演じていたのは、ウェス・アンダーセン監督の映画によく出演している顔の長い俳優です。エイドリアン・ブロディ。「戦場のピアニスト」でアカデミー賞主演男優賞をとってますね。
このキャデラック・レコードには、マディー・ウォーターとかチャック・ベリーとかエタ・ジョーンズなんかが所属しています。
実名の役です。すごいですね。
ちなみにエタ・ジョーンズは、ビヨンセが演じてます。
最近、YouTubeにエタ・ジョーンズの歌の動画が、時々お勧めに登場するので、この映画を思い出しました。
やはり強烈な黒人差別の時代ですから、映画は途中からちょっと悲しくなってきます。
でも、イギリスから、尊敬するブルース歌手に会いたくて、わざわざシカゴまでやってくる若い兄ちゃんたちのエピソードも差し込まれたりします。その兄ちゃんたちは、憧れのブルース歌手を見てキャアキャア喜んだりするんです。彼らはロックのグループを組んで黒人の音楽を演奏しようと思ってます。
ローリング・ストーンズって名前のグループなんです。
この映画では、まだ全然有名になる前でしたけど。
ああ、黒人音楽のレコードレーベルと言えば、タムラ・モータウンてのがありますね。
ぼくは中学生の頃に知りました。
で、ここからリトル・スティービー・ワンダーという少年歌手がデビューしたのを覚えています。
写真を見たら、普通の短い髪型で、太めの黒眼鏡を掛けてました。
レイ・チャールズを意識してたんでしょうね。
このリトル・スティービー・ワンダーも目が不自由だと音楽雑誌に書かれてました。
日の当たる坂道、じゃなくて「太陽の当たる場所」って曲が印象に残ってます。
途中から「リトル」が取れて、スティビー・ワンダーになったですね。
「迷信」て曲がラジオから流れて来た時に、ぼくはぶっ飛びました。
そのスティービー・ワンダーが、全盲では無いというのを知ったのは、だいぶ後になってからです。
彼が来日した時に、インタビューに行った音楽ジャーナリストが、せっかくだから何か記念品を頂こうと思い、部屋を見回したらクローゼットが開いていて、何もかかってないハンガーが見えたので、あれなら持って帰っても迷惑にならないだろうと、スティービーに気づかれないように変な体勢で手を伸ばしたら、
「そんな物が欲しいのかい? 持っていけばいいよ」と言われて、目が不自由だけど気配でわかったのか、すごいね、なんてラジオで言っていたのを聞いたことがあります。
あれは気配じゃなくて、見えてたんですね。
などと、どうでもいいようなことを、起き上がる前にベッドの中で思い出していた、急に寒くなった日の朝だったんです。
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