住み慣れた家に死ぬまで住めれば良いかも
今住んでいる家は、ぼくが30歳の時に建てました。
で、今ぼくは70歳。
けっこうガタが来ています。ぼくも家も。
リフォームってけっこう金が掛かるという先入観だけあって、実際の金額例を知らないものだから、別の土地の上に小さな平家の家を建てようかと思ってました。
今の家、老夫婦2人だけだとかなり広いですし。
荷物も減らしていくつもりですが、とりあえず今の家に使わない家財を置きっぱなしにして、使うものだけ新しい小さな家に入れて、ジイさんとバアさんの二人で暮らそうという考えです。
狭いと掃除も楽だし。
それにコロナ騒動の真っ最中で、自分らが暮らしている家に大工やら職人たちが出入りする事に抵抗がありました。
コロナ騒ぎも落ち着いてきたし、出来るだけ金がかからないようにしないといけない年金暮らし老人家庭です。
家内が、いま住んでいる家を直して住めば良いのじゃないかと言いました。それが一番安く済むのではと。
という事で、業者に来てもらい家を見てもらいました。
直せば、まだまだいけますよ、という返事。
リフォームという言葉が頭に浮かび、あれやこれやとアイデアが。
「リフォームはきりがありませんよ」と、工務店の社長がボソッと言いました。
ちょっと熱くなっていたぼくら夫婦の頭が冷めます。
そうだリフォームじゃなくて修繕で良いじゃないか。
正直、当初想像してたリフォーム費用は1千万ほど。
だから、あっさり小さな家を建てようかと考えたのです。
今のままではダメなのは、床がフニャフニャになっていたことです。
湿気で痛んでいるのか、シロアリに床下がやられてるのか。
そんなふうに考えてたのです、素人のぼくらは。
合板の床板の張り合わせてる接着剤がダメになって床がフニャフニャになっているだけだと工務店が言います。
だから今の床の上に新たな床板を張れば良いらしいのです。
張り替えは1階の部屋が3つと、広々した廊下。面積はけっこうあります。
それと壁紙を張り替える部屋が3つ(床張り替えの部屋とは完全一致してません)。
蛇口の取り替えが2箇所。
風呂場も変えようと思いましたが、調べてもらうと修繕必要なし。
シャワーヘッドとホースだけ自分で替えようっと。
見積もりは想像よりもすごく安い。
修繕工事が行われて
という事で工事発注。
来てくれた大工さんは、ぼくよりも年上でした。
もう大工なんて、いなくなりつつあるんです。今の家はみんなプレファブで、工場出荷時点でカット済み、あとは組み立てるだけですもん。
大工さんが景気良く電動ノコで、床の沈み込みの激しい部分に穴を開けて見せてくれました。
確かに言う通り、床板の下はしっかりしています。
湿気でもシロアリでも無く、合板の貼りあわせの接着剤が劣化してただけなのです。
特にひどい箇所だけ穴を開けて補強の板を入れてからその上に新しい床材を貼ってもらいます。
難しいのは壁とぶつかる部分の調整です。
大工さんには邪魔になったかもしれませんけど、ぼくは飽きるまで大工さんの仕事を眺めていました。
なかなか根気のいる仕事だと思いました。丁寧で腕の良い大工の仕事です。
2週間ほどかけて家の修繕は行われました。
大工仕事以外の工事も終了して、以前と同じ間取りのままなのですが、きれいで真新しい感じがして、すごく良いです。
満足。
「ぼくが死ぬまで保つかな」と大工さんに聞いてみました。
「保つ保つ、大丈夫」という返事。
ま、ぼくがどのくらい生きるかって見積りが人によって違いますけどね。
安心感
大工さんは工事作業の途中で気がついたところを、上手に直してくれました。
そのぶん当初の見積りより高くなるだろうと思いましたが、ありがたいですね。
とにかく家の中がきれいになって、建物の寿命が延びたのが実感できてうれしいです。
安心して、死ぬまでここで暮らしましょう。
今回の修繕に掛かった費用は、ザクッと170万円ほど。
当初かんがえていたのと比べると無茶苦茶安かった。
おかげで残りの人生で必要なお金も少し安心。
ああ感謝です。