ぼくは、以前、韓国映画けっこう好きでした。
なんか、作り方があざとくて、そういうのが良いんです。観客の感情の刺激の仕方が素直なんですね。
最近、観なくなりました。もしかすると嫌韓なのかもしれません。
でも、今日、つい見てしまったのです。
「ファイティン」て腕相撲映画。
上の写真のごついおっさんマ・ドンソクが主演。
どうせ、シルベスタ・スタローンの焼き直しだろうと思いました。スタローンの腕相撲映画とは少し違いますが、やはり肉親の情というか、親に捨てられた自分という孤独な認識が少しずつ溶けていき、そして最後に大会の優勝と家族(?)の再結成というクライマックスに突入します。
世間からも受け入れられず、金もない、家族もない、ただ腕相撲だけが得意なおっさん。
子供の頃、貧しさのせいで母親はおっさんを里子に出しました。行った先はアメリカでした。
ある日、自分を兄貴と慕ういい加減な男が韓国から来ました。韓国で腕相撲の大会に出ようよと言うのです。
おっさんは、アメリカでも腕相撲で活躍してたのですが、何年か前に八百長を疑われて、もう試合には出れなくなっていたのです。
何もないおっさん。
韓国から来た、このいい加減な男の口車に乗って韓国に来たのです。
いい加減な男は、おっさんの母親の住所をスマホに入力してくれました。行こうと思えばスマホが案内してくれるのです。
おっさんは迷います。捨てられた自分。感情が複雑に交差するんです、こんなおっさんでも。
気持ちが迷いながら、おっさんは母親のアパートの前をうろうろします。
そこには女と小さな子供二人が住んでいました。
母親は去年亡くなっていました。そして、女はおっさんの妹だと言うのです。
かわいい甥と姪とおっさんの心の交流。
なぜか頑ななところがある妹。
ヤクザの親分が八百長を持ちかけたり、腕相撲関係では、お約束のように色々あって、最後のクライマックスへの序曲が始まります。
韓国でできた家族への疑惑。自分をアメリカに迎えに来た弟分への疑い。おっさんは孤独にトレーニングをします。
しかし、おっさんの手首は痛いのです。不調なんです。腕相撲で相手と組む腕が。
最後に向かって、お約束通りことが進展します。
立った一人で試合会場に入ったおっさん。
弟分が、絡みます。弟分の父親は事業に失敗して借金を抱えています。だから、おっさんと二人で腕相撲大会に出て賞金を稼ぎたかったのです。自分を曝け出す弟分。おっさんとの和解。
そして、本当の家族なのか、女と子供たち。
しかし、子供たちは会場に向かうのです。そして子供たちの母親も会場に向かって走ります。
決勝戦の直前、会場に走り込む母親。
あああ、臭いです。ものすごく臭いです。スタローンの手口です。でも、いいの。おっさんだから許す。
最後のカタルシス。
わかっているのです、こう言うふうになるのは。それでも、こう言うふうになってくれて嬉しいのです。
あのおっさんは癖になりそう。