豊川悦司です。
丹下左膳。
「のみとり侍」で頬に脂がついて、背が高いだけで、ベンガルみたいな顔に成り果てた豊川悦司を見て、若い時が見たいと家内が言うので、こいつを観たのです。
これね、チャンバラじゃありません。子供が絡む人情喜劇。
良いのは冒頭の大人数相手の豊川悦司の殺陣だけ。
丹下左膳という思い込みで観ると、かなりがっかりします。
豊川悦司、背が高いです。セットの鴨居はいちいち屈まないと頭打ちます。
相手役は和久井映見。これちょっと不安でしたが、けっこう良かったです。
和久井映見は、矢場の女将。「わたしゃ子供が嫌いなんだよ」と言って、不機嫌な顔で立ってます。
これがね、良いんです。観る前に、ああ和久井映見か、なんて言ったけど、良いんですよ。
ただ、豊川悦司の隣に立っていると、背丈の関係から、時々子供が立っているような気がしますけども。
豊川悦司の丹下左膳は、和久井映見のヒモ、もう、全くヒモ、ただのヒモ。
この二人が、身内がいなくなった男の子の面倒を見ます。
世間を斜に渡っている二人が、子供に情が湧き・・・
まあ、そっち方面の定番ストーリー。
でね、この映画、後の出演者がダメ、と言うか、映画自体に緊張感ありません。
ダヨダヨの映画。
ようやく丹下左膳を恨む旗本が、剣の腕のある浪人(豊原功補)を雇って左膳を襲うのですが、この背の高い二人の斬り合いが、どうにも良くありません。
まあ、人情喜劇ですから、チャンバラなんてどうでも良いのです。
はすっぱな女とヤクザなヒモのコンビが、子供に情を移してと言う映画なんですから。