途中で放り出しましたけど、数日後再開で読了しました。
これね、連作の短編集、なのかな。
仁と茜夫婦が、結婚式に出席するためにロンドンに行きました。
仁の高校時代の同級生のけり子がジョナサンというスリランカ系イギリス人と結婚したんです。
日本からの新婦の高校同級生の出席者は、他に窓目くんと皮ちゃん。
窓目くんと皮ちゃんは、式後、ロンドン観光をして帰国しました。
仁と茜は、茜の学生時代のバイト先の店で先輩だった由里さんがイタリアで暮らしているので、そっちに寄ってから帰国することにしました。
この本の話は、この辺りから始まるのです。
由里さんは、ブラジル人のチコと一緒に暮らしていて、ハルちゃんという赤ちゃんがいます。
由里さんたちが住んでいるのは、イタリアのペルージャ、中田英寿が最初に入ったイタリアのサッカーチームの地元ですね。
前半はこういう話で、滝口悠生さんらしく、一人称がいつの間にか三人称になったり、同じことを視点を変えて語ったりしてます。
で、後半は、窓目くんの手記。
窓目くんは、けり子とジョナサンの結婚式で、シルヴィという若い女性と知り合い、恋に落ちます。不思議な恋、というか窓目くんの感覚が不思議なのでしょうか。
この窓目くんの手記の最初の方は、窓目くんがジョナサンの両親からスリランカ料理を教わっているところから始まるのですけども、この料理の説明のあたりでぼくは力尽きました。
これ以上読むのはやめようと思ったのです。
でも、昨夜、突如として続きを読む気が満ちて、料理の話はすっ飛ばしながら窓目くんの変な恋の話を読みました。
この作品を読んだ方たちは、ほとんどみんな「長い一日」という同じ作家が書いた小説を思い出します。
窓目くん、けり子とジョナサンなど、同じ人物が登場する小説です。その作品で出てくる主人公的な夫婦は「滝口さん」と表記されていたと思うのですけど、その夫婦は、この仁と茜なのでしょうか。
その辺りがすごく気になって、色々考えながら読んでしまいます。
できれば「長い一日」の前に、この「ラーメンカレ」を読めば」良かったのかな。
何も考えずに素直に読めば良かったのかな。
おそらく「長い一日」を書いたのと同じ頃に書かれた作品だと思うんですよ、この「ラーメンカレー」は。
ぼくは「長い一日」の中で、窓目くんが散髪をしようとアパートを出て、大塚から講談社のビルあたりまでずっと歩いていく話が妙に好きなんです。グーグルマップを見ながら読んだんです。
この「ラーメンカレー」は、面白かった? と訊かれたら、どう返事をすれば良いのか、今現在はわかってません。後半の窓目くんの手記が結構辛かったもので。
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