クリスティーのポアロシリーズの長編を全部読んでみようと思った時に、「アクロイド殺し」「青列車の秘密」「オリエント急行の殺人」「ナイルに死す」は今回読まないことに決めてました。
「青列車」と「オリエント急行」は、読んだ記憶が明確で、「ナイル」は読んだような気がするけどあやふやですが、映画は観てます。
で、この「アクロイド殺し」は三谷幸喜作のテレビドラマを観ていて、犯人を知っているのです。
でも、やはり「アクロイド殺し」は読んでいないことが明確なので、今回読んでみました。ポアロ物の3作目です。
タイトルの「アクロイド」てのは、人名で、殺人事件の被害者、ロジャー・アクロイドっていうお金持ちです。
アクロイドというと、ダン・エイクロイドという「ブルース・ブラザース」とか「ゴースト・バスターズ」や「ドライビング・ミス・デイジー」に出演している大男の俳優を思い出します。
多分、読み方の問題で、同じ苗字なんだろうと思ったのですが、調べてみると違います。
アクロイドは、Ackroydで、エイクロイドは、Aykroyd。
ずっと同じだと思い込んでいたので、ちょっと違ってて、少しがっかりしました。
ぼくは最初から犯人を知っていて、手口まで覚えています。ドラマでは犯人を「鎌倉殿の13人」で源頼朝を演じた大泉洋が演じていたのまで覚えています。
初めの方で、お前が犯人だと分かってるんだよと、明らかな余裕で、読んでもつまらないハズなんです。
しかし、例によってアガサは、登場人物それぞれの事情や都合で嘘とか思わせぶりとか、殺人に絡まないちょっとした犯罪などを散りばめて、複雑な話にし、読者をたぶらかしミスリードしようとします。もちろん彼女がお好きなロマンスも入れ込んでます。
ということで、犯人が割れていても、この作品面白いのです。
この話、ヘイスティングズは登場しません。
しかし、三人称では書かれておらず、ジェームズ・シェパードというお医者さんの手記という形で語られています。
なぜヘイステイングズが登場しないのか。
彼は、この作品の直前作「ゴルフ場殺人事件」で、気に入った女と結婚してアルゼンチンに渡り牧場経営をしており、舞台のイギリスの田舎町には来れてません。
ということで、このあたりの設定は、アガサ・クリスティのやりたいようにやるためのものなんだけどねー。
あんまり書くと、ネタバレ少々になってしまうとまずいのでやめときます。
いろいろ批判もあったようですが、さすが名作です。
ぼくみたいにドラマで観ていて犯人知ってても、読んでみるのは良いんじゃないでしょうか。