この本、「剣樹抄」って作品、というかシリーズの2作目だと思います。
1作目は2020年に読んでいて、ブログにも書いたと思ったのですが、まあ書きましたが、ちゃんと書いてなかったりします。
なんでこんなに面白いのにちゃんとブログに書かなかったのか、不思議。
主人公は了助という少年です。江戸の大火の時に、旗本奴に父親を切り殺され、孤児となってしまいます。
野犬の群ややくざな旗本奴どもをやっつけるために、了助は長い棒を操るようになります。
その棒を振り回す腕を、若い頃の水戸光圀に見出され、了助は、捨て子を幕府の隠密として使う「拾人衆」に加えられました。
そして、江戸を騒がす火付盗賊の「極楽組」と対決します。
というのが、1作目のザクッとした内容です。
で、この2作目では、了助と水戸光圀との因縁が明らかになります。
さらに、不思議な活人剣の達人である柳生義仙が登場し、了助と師弟のような関係になり、二人は江戸から逃げた「極楽組」を追うのです。
さすが冲方丁、とても面白いです。
子供が主人公で大活躍するってのは、「マルドゥック」シリーズのバロットてのがいますけども、水戸光圀と言えば、冲方丁は「水戸光圀伝」てのを書いてまして、そん時に随分調べたみたいですし、黄門様をもっと語りたかったのでしょうね、この作品でも若き日の光圀が、もう一人の主人公として描かれています。
シリーズ次回作がとても読みたくて、心待ちてのは、「マルドゥック・アノニマス」と同じですぅ。