70代の真実

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ブラック・クランズマン 黒人がKKK団に入っちゃった

 

ブラック・クランズマン (字幕版)

ブラック・クランズマン (字幕版)

  • 発売日: 2019/10/09
  • メディア: Prime Video
 

監督は、スパイク・リー

 

KKK団て知ってるでしょ。

クー・クラック・クランの略で、白人至上主義の団体。

頭に目のところに穴を開けただけの白い三角錐の頭巾をかぶってる秘密結社。昔は黒人を処刑したりしてた、テロリストですね。

彼ら、ついでにユダヤ人も嫌いです。ここんとこ、ちょっとポイント。

 

でね、この映画、その黒人を目の敵にして迫害するクー・クラック・クランに黒人の警官が潜入してしまうというお話です。

ほんとかよと思いますが、これは実話だなんて書いてあります。

 

映画の概要

1972年、ロン・ストールワースはコロラド州コロラド・スプリングズの警察署で黒人として初めて警察官に採用されます。

彼は書類管理担当に配属されますが、本当は事件を扱いたかったので、署長に潜入捜査官になりたいと直談判。

そんじゃ、黒人だから都合が良いので、ブラック・パンサー党のクワメ・トゥーレ(ストークリー・カーマイケル)の演説会へ潜入しろと命じられます。

体に隠しマイクを付けて会場に潜入しますが、ついでにクワレ・トゥーレを招いた黒人学生の委員長が可愛い黒人の女の子だったので、彼女とも仲良くなれました。

潜入はいいけど、ベッドの中までは潜入するなよ、なんてね。

 

その後、情報部に配属されたロンは、クー・クラックス・クランKKK)の新しい支部の構成員を募集する新聞広告を見つけます。

ロンはその広告に書かれた番号に電話します。電話では、白人のレイシスト(人種差別主義者)に成りすまして話しをして、会う約束をします。

この時点の失敗は、ロンは自分の本名を名乗ってしまったことです。

 

問題はロンは黒人。自分ではKKKのメンバーに会うわけにはいきません。

そこで実際にKKKのメンバーに会う時は、同僚の白人警官フリップ・ジマーマンをロン・ストールワースとし、電話で話す時は、自分自身がロンとして話すことにします。

もう一つの問題点、ロンを演じる白人警官フリップ・ジマーマンは、ユダヤ人なのです。

 

コロラド・スプリングスのKKK支部には頭のおかしいみたいな過激派がいます。ユダヤ人も大嫌いな彼は、フリップにパンツの中を見せろと言います。

ユダヤ人は割礼しているだろうからということですね。

どうもフリップはゆるいユダヤ家庭で育ったようで、パンツの中を見られても大丈夫のようです。いずれにせよ、この危機は逃れられましたが。

 

ロン(とフリップ)はKKKの構成員として認められ、その後も潜入捜査を行います。

ロンの電話での会話は素晴らしく、KKKの最高幹部を務めていたデビッド・デュークまでもが騙されます。

電話の会話ですっかりロンが気に入った最高幹部デビッド・デュークは、ロンの入会式に出席するためにコロラド・スプロングスまでやってくるのです。

 

そして、コロラド・スプリングス支部の過激派のオッサンは、この入会式の日にとんでもない計画を実行しようとするのです。

 

 

この映画についての余計な話

 

配役・俳優の話

ロンの同僚で、KKKの連中に会う時はロンを演じてくれる白人警官フリップ・ジマーマン。

ジマーマンてユダヤ人の名前らしいです。

ジマーマンてどこかで聞いた名前です。あ、ジマーマンて、ボブ・ディランの元の苗字じゃなかったでしたっけ。

 

この白人警官フリップ・ジマーマンを演じているのは、すごく背が高くて鼻がとても大きい役者です。上のポスター写真の右側の髭のある白人。

どこかで見た覚えがあります。

だれだっけ、このでかい鼻。

あ、あの鼻、先日観に行った「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」でも見た。

カイロ・レンです。カイロ・レンを演じた俳優でした。

普通の服装してると、よけいデカさが分かります。

 

 

それから、このいい感じのアフロヘアの主人公ロン・ストールワースを演じているのは、デンゼル・ワシントンの息子だそうです。

なかなか良かったと思います。

 

 

スパイク・リー監督

この映画は、間違いなく娯楽映画です。

 

黒人警官ロン・ストールワースが、電話で口先だけでKKKを騙していくのは滑稽です。

主人公のキャラクターは、感情移入できますし、最初から最後まで楽しめます。

 

KKKだけではなく、警察の中にも人種差別者はいて、黒人に対してすごく失礼な態度と暴力的な威圧をかけます。

ロンが付き合いだした黒人学生の委員長の女の子を適当な理由で圧力をかけ体を触った警官は、警察の中でもロンに意地悪をしますが、最後に泣きを見ることになります。

とにかく、そういう時代で、やたらアフロヘアーが目につきます。

最後に、手柄を立てたロンやフリップに対する決定。

 

ああ、スパイク・リーが監督なんだなあと感じます。ただの娯楽映画ってだけじゃありません。

 

 

感想みたいなもの

アメリカって一皮剥くと、こういう偏見差別みたいなのが実在するんだなと言うかするんです。

そういう社会の中で、主人公の黒人は、自分の夢、あこがれだった警官になり、自分がしたかった仕事をします。

やるじゃん。

そう思って観ていますが、爆弾犯の白人女性を取り押さえようとしていると、駆けつけた白人警官に「おれは警官だ。犯人を取り押さえている」と言っても、白人女性を襲った黒人男性として手錠を掛けられてしまったりするのです。

 

トランプが大統領に就任し、また人種差別や異種のものを排除しようとする連中が声を上げる国となったアメリカ。今、この時に、こういう映画を作ったんですねえ。

あははと楽しみながら、なんか考えさせられる作品です。

 

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