観ていないくせに、あんまり面白く無いかもと思って敬遠している映画を、なんかのはずみで観てしまい、実はすごく面白かったというパターンです。
日本人・辻一弘さんの特殊メークが話題になった作品ですよね。
そのことだけがぼくの頭にあり、確かに映画の写真なんか見ると、「ええ!!これ本当にゲイリー・オールドマン?」と大きなインパクトを受けるのですが、「それで話題になった映画」という先入観が芽生えてしまったのです。
去年の映画ですよね。それがプライムビデオで観れるので、「がんばっているじゃん」と、つい観てしまいました。
ところで、ついでに言い訳しますが、ぼくは昼の3時からビール飲みながら「赤い霊柩車」を見てましたが、ビールは350cc1缶だけで、その後日本酒を煎茶の小さな器で一杯だけしか飲まず、5時半には甘いものを食べ、コーヒーを飲んでおり、車の運転をしないだけで、特に酔っている状態ではありません。
さて、第二次世界大戦時のイギリスの歴史は、ただチャーチルのVサインだけしか覚えていません。
映画は、こんなストーリーを語ってくれます。
あらすじ
ナチスドイツがヨーロッパを荒らし回り、ベルギーにもフランスにも侵攻している時、イギリスは与党も野党も協力して、国家総動員で国を守らねばの状態です。
野党は協力の条件に、現在の首相の退陣を要求します。
与党はこれを呑みます。
で、与党の幹部たちが集まり相談します。
「あいつだな」
「野党が受け入れるのはあいつしかいない」
「あいつの名前を私に聞かせないでくれ」
という結果、みんな嫌々ながら、「あいつ」、ウィンストン・チャーチルが首相になってしまいます。
任命する国王も嫌々。
はい、みんなに嫌われています。味方は一人もいません。
個性が強すぎて、みんな嫌いなんです。チャーチル。
与党の主要メンバーは、すぐに罷免決議の用意を裏でしています。
ナチスの進撃は凄まじく、フランスもダメダメの状態。
イギリスの陸軍は、大陸のドーバー海峡そばで全滅の危機。
どんな状況であっても、あくまでチャーチルは徹底抗戦。
しかし、与党の上の方は、ヒトラーと講和条約を結ぼうと考えています。
さあ、チャーチルどうするのか。悩みます、すごく悩みます。
まあ歴史ですから、結論は分かっていますが、本当にこのゲイリー・オールドマン演じるチャーチルが魅力的なんです。
歴史上は無かった、この映画のフィクションらしいですが、悩むチャーチルはお迎えの車を途中で飛び出し、地下鉄に乗ってみます。
国民の声を聞こう。
地下鉄の乗り方も知りませんが、「あれ?総理大臣だ」と驚く市民に教えてもらい、チャーチルは地下鉄に乗ります。
みんな驚くの。
実際、地下鉄に乗ってきた総理大臣に、素直に気がつくものでしょうか、ということは考えてはいけません。
チャーチルは、地下鉄の乗客に聞きます。
みんなの意見は一致していました。
このシーン、ぐっときます。
さあ、そして、悩みを脱したチャーチルは、国会で演説を行います。
これ観なくっちゃ!!
まだご覧になっていない方は、Amazonプライムビデオで観ることが出来ます。
プライム会員でない人は、借りましょう。
すでに観た人も、もう一度観ましょう。
地味な、色彩は暗めの映画です。
でも、わくわくします。感動します。とても面白いです。
そうだ、チャーチルは地下鉄の中で、赤ん坊を抱えた女性にも名前と意見を聞きます。
彼女は、自分の赤ちゃんが、チャーチルに似ていると言います。
「そう、ほとんどの赤ん坊は私に似ているんだよ」
チャーチルは丸々としていて、すでに髪の毛も薄めで、確かに赤ちゃんのような顔です。
可愛いブタちゃんといった風情。
すごいね、これゲイリー・オールドマンが演じているんですよ。
でもね、本当のチャーチルの写真見たら、映画の顔とは、だいぶ違います。
うふふ、イメージなんです。
ぼくらはまるでチャーチルだと思って観ています。
演じたキャラクターもイメージなんでしょうね。
ところで、地下鉄の中で葉巻を吸ってはいけないと、誰か注意して欲しかったです。