大昔、ぼくが20代で東京の方で勤めていた時、40年ほど前です、勤務先からアメリカに行ってこいと言われました。向こうの提携先で、ある研修があり、それに参加しろということです。
その研修は、アメリカ人対象のものです。しかも、飛び飛びですが、初めから終わりまで結構な期間になります。
「ダメです。英語できません」
はっきり断りました。
しかし、数ヶ月後、また同じ話がきました。
「だから、英語は出来ないんです」と拒むぼくに、半年ほど前に渡米して、向こうで英語を勉強すればなんとかなるのではないかという強引な提案です。
実は、学生時代に、アメリカに住んでみたいという安易な夢がありました。
半年アメリカにいれば、なんとかなるかも知れない。
向こうに行っている間も給料はもらえるし、移動費は出してくれるし、もう一回学生生活を送るのも魅力的です。
こうしてぼくはアメリカでほぼ1年間暮らしました。
行く準備から、学校探し、ビザ取得、エアチケット、全部自分でやりました。
インターネットが無い時代です。それ以前に携帯電話もまだありません。ポケベルさえも。パソコンだって。今思うと、のんびりした時代ですね。
必要なことをどう調べたのか、おそらく留学希望者対象の本で調べたのだと思いますが、赤坂にあったフルブライト財団の事務所へ行って向こうの外国人対象の英語学校を調べて、適当に選んで手紙を書き、学生ビザ取得に必要な書類を送ってもらい、その書類持ってアメリカ大使館に行ったり。こういうことは総務でしてくれると思っていたけど、そんな仕事わからないので自分でするのが一番ということでした。
アメリカにうちの事業所はありませんから、向こうに行ってしまえば目的の研修以外は完全自由です。
ほとんど学生のような気分で過ごしました。もう26歳でしたが、気分は18歳。
あの時の記録を残そうと、何回も思いましたが、結局日記すらありません。
写真も、あまり残ってません。
それでも何か覚えを残そうと考えた時、ブログがあるじゃないかと思いつきました。
いろんな配慮で書かない部分もありますし、思い出せないこともあります。写真もほとんど残ってません。
というか、全体的にもう記憶が薄い。
時系列に書こうとは思いますが、そうもいかないかもしれず、ま、思い出した順にということになりそうです。
思い出す毎に「昔話USA」というカテゴリーで、ぽつぽつと書いていきます。
そんなカテゴリーの記事を見たら、申し訳ありませんがお付き合いください。