70代の真実

70代年金生活者の生活と思ってること、その他思がけないことも

「野良犬」って1949年の映画。黒澤明監督と三船敏郎&志村喬。フランス映画の匂いがします

ぼくが高校生の頃くらいまでは、フランス映画、もっと前はイタリア映画がよく公開されてたんです。

なぜかそのうちアメリカ映画ばかりになって、たまにヨーロッパの映画が上映されるのは、割と趣味的にって感じでしょうか。

 

ネットで観れば、ドイツ映画やロシア映画、そんで北欧方面のも観る事ができますけども。

そんでもやっぱり主力はアメリカ映画と日本映画。

なんでフランス映画が観れなくなったんでしょうか?

昔は日本ヘラルドって会社がよく入れていて、アメリカ映画と同じくらい上映されてたんですよ。

 

ところで、話は変わりますが、東映名画座で引き続き黒澤明監督の作品を観ています。

酔いどれ天使」「椿三十郎」「蜘蛛巣城」、そして「七人の侍」「野良犬」。

流石に久しぶりに観た「七人の侍」は文句なしに面白かったです。面白いって言うのが野暮なほど、面白いのです。

どう面白いのか言うのもアホらしくなるほど面白いのです。

 

と言うことで「野良犬」の話をしましょう。

これ、1949年の作品です。

ぼくは、まだ生まれてませんでした。

 

クソ暑い夏の日、満員バスに乗って、すぐ横の女の安物香水の匂いで頭がぼうっとするほどになってしまった新米刑事の三船敏郎演じる村上刑事は、背広のポケットに入れていた小型のコルト拳銃を盗まれてしまいます。

と言う事で、盗まれた拳銃を追い、そしてその拳銃を使われた強盗事件をベテラン刑事の志村喬が演じる佐藤刑事と共に犯人を追うのです。

村上刑事の拳銃を盗んだ犯人と、その拳銃を使って強盗殺人まで犯した犯人とは別人です。

 

なんせ、エアコンとかが無かった時代なんです。

日本の夏はムシ暑いです。その辺りがリアルに描かれます。

そして、通りには車は少なく、車道を人間が走っても轢かれる心配が少ない時代でした。

 

村上刑事が拳銃の闇ブローカーを見つけようと何日も街をさすらったりするシーンは、やはりフランス映画なんです。

当時の日本の住宅事情なんかを映し出しているのですが、全体のテイストがフランス映画。

最後、小さな駅で女を待っている若いイケメンの犯人(木村功)を村上刑事がみつけ、追いかけます。

駅の外は雑木林、そして野原。

たぶん白い花(モノクロなんで)が咲き乱れる野原で、左腕を撃たれた村上刑事が犯人を取り押さえます。そのあたりの追跡と揉み合いがフランス映画。

 

七人の侍」の前に作った映画です。

その後とテイストが違いますねえ。「酔いどれ天使」と「野良犬」の2本は。

正直、録音機材の性能が今と全然違ったのでしょう、セリフが半分くらい聞き取れません。

それでも面白いのです。

背の高い、ガタイのいいシュッとした二枚目の三船敏郎は、この後は汚く男臭い浪人者のイメージが身についてしまいます。

 

共演している俳優さんたち、特に女優陣が、ぼくらの頭に残っているイメージとは全く違うのも大きな衝撃です。

 

あ、上に貼り付けた映画の写真で、三船と志村さんの足元にしゃがんでいる女性、誰かわかりますか? 正面から顔がアップになってもわかりませんでした、ぼくは。

淡路恵子さんなんですよ。ぼくが子供の頃に見ていた彼女は、もっと違ってました。年齢が違うしね。

 

やはり、機会があれば是非ご覧になって欲しいと、強く願ってしまう作品でした。

ぼくは「酔いどれ天使」より「野良犬」の方が好きです。

 

 

 

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