70代の真実

70代年金生活者の生活と思ってること、その他思がけないことも

「赤いモレスキンの女」アントワーヌ・ローラン作

本の帯とか表紙の折り返しに書かれたこの作品についての文には「大人のおとぎ話」と言う言葉が書いてあります。

これはミステリーとかいうジャンルのものではありません。

紹介には、パリを舞台にした洒脱な大人のおとぎ話とあります。

 

ぼくが読んだ日本語版の本は、2020年12月20日に新潮社から発行されています。

フランス語の元版、あるいは英語版が出されたのは、これより前ですね。

イギリスのチャールズ国王がまだ皇太子時代に出版されているわけで、彼の新型コロナ陽性が判明し隔離生活を送ったカミラ夫人が、隔離時に読んだ本の一つで、「完璧なパリの傑作」と絶賛したと言うことも宣伝文句で書いてありました。

 

話の内容

パリの書店主ローランがある朝、道で女物のバッグを拾います。

どうも持ち主が捨てたものでは無く、ひったくりにあい、犯人が現金などを抜いて捨てて行った物ではないかとローランは考えます。

バッグの中身はパトリック・モディアノ(作家です)のサインが記された本、宛名は<ロール>と言うファーストネームだけ。香水瓶、クリーニング屋の伝票、そして持ち主である彼女の断片が書き綴られていた赤いモレスキンの手帳でした。

もちろん他にもいろいろな物がバッグから出てくるのですが、持ち主のフルネームや住所が書かれたものが見つからないのです。

男は女が書き連ねる心象世界に魅せられ、わずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始めます。

ちなみに、男、ローランは離婚した中年男性。時々会う高校生の可愛い娘クロエがいます。

そして、女、ロールは、夫を亡くし、今は猫と一緒に暮らす40代前半のきれいな女。

 

最終的にローランはロールを見つけることができ、バッグは持ち主の元に戻り、あとは、素直に想像する通りの結末です。

 

なんちゅうか「男と女」

これ最後のあたりで、昔観たクロード・ルルーシュの「男と女」って映画を、ちょっと思い出しました。

アホみたいと思いながら、ちょっとニヤッとしちゃうって感じ。

ああ、フランス人。

 

 

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