想像して下さい。
あなたが自分の商売をしていて、だれか人を雇わなければならないと。
その従業員の給料は、あなたの懐から出すのです。
初めて他人を雇うのです。
その人には、この仕事を好きになって欲しい、そして雇い主のあなたを助けて欲しい。力になって欲しいとあなたは思います。
どんな人なのか、従業員募集に応じてやってきた人を見極めようと、一番ふさわしい信用できる人を雇いたいと思うでしょう。
でも、その人について立ち入ったことを質問することはできません。今はそういう規則なのです。
ご家族は?とか、そういう個人的なことを聞いてはいけないのです。
偏見とか、そういうことを気にしていなくても、その人のことをある程度は知った上で、何人かの応募者の中から力になってくれそうな人を選びたいですよね。
でも、それは規則違反なのです。
で、よく分からない状態の中で、せいぜい学歴とか、話し方とか、外見程度の情報で雇い入れることになります。
さて、雇ってしまうと、よほどの事がない限り、その人をクビにすることはできません。
さあ、どうしますか?
当てずっぽうで人を雇い、雇った後、目がね違いに気がついて、ああこの人は力になってくれない、役に立たないとわかっても、もうどうしようも無いのです。
大企業と違って、人をたくさん雇い、ダメならどこかで飼い殺しにするほどあなたに余裕はありません。
仕方ないので、1、2年ほどは昇給を低く抑えておくしかないでしょう。
いい人だったら、後で給料を上げればいい。
しかし、いい人だなと思った後、やっぱりダメと気づくかもしれません。給料を上げた後、がっかりする事がわかることもあります。
じゃあ、基本的に安い給料にしておきましょう。よそに逃げない程度の。
高い給料を下げるのも、なかなかできませんから。
この日本で、人を雇うと言うことは、ものすごいリスクです。後で取り返しがつかないような法律ですし。
こういう感じになってきたのは中曽根さんあたりからで、もうずいぶん時間が経過し、その後、どんどん雇う方が不利になっています。
中曽根さんは、どんどん経済でのしてくる日本を、中小企業中心にちょっと調整しろよとアメリカに言われたのかなって、当時ぼくは勝手に想像しました。
この前、驚いたのは、Googleかどこか、アメリカの会社でリモートで自宅で仕事する人の給料を少し下げるとかいうニュース。
あんなこと簡単に言えるんですね。日本だと大変だと思います。
年功序列って制度も、やめようって方向ですね。なんかいい事みたいに扱われてますけど、ますます給料が上がらなくなる。
ということで、日本の給料がずっと上がらないのは、そういう事情なんです。
労働関係の法律や扱いを、本気で見直すなんてできるんでしょうか?
できなかったら、日本は沈む一方かな。ま、できないんでしょう。
核共有も議論できないんだから。