70代の真実

70代年金生活者の生活と思ってること、その他思がけないことも

景山民夫を思い出しちゃった

もう、亡くなってからだいぶ経ちますが、景山民夫って、皆さんご存知ですか?

 

彼の書いた本を手にした時点で、ぼくは彼の顔とかテレビでの言動とかを知ってました。

放送作家でテレビに時々出演してる変な人というのが、彼についての認識でした。

あの顔がねぇ。

なぜ彼が書いた本を買ったのか、自分でもわかりません。

その時点では、まだ直木賞作家では無く、当然「遠い海から来たCoo」てのを書いてなかったと思うんですよ。

 

ぼくが買って読んだのは「普通の生活」というエッセイ(?)集でした。

普通の生活 (角川文庫)

普通の生活 (角川文庫)

 

最初の奥さんとの離婚のことから書き始められてたと思います。

面白かったのです。

たしか、なんかの賞をもらっていたと思います。

例によって、本はもう棄ててしまっているので内容をちゃんと思い出せずに、この文書書いています。すいません。

 

エッセイと呼んでいいのか、ちょっと考えちゃうのは、さすがに当時売れていた放送作家だけあって、どの話も面白く書いてあるのです。オチがあるみたいな。

それでも、エッセイとして評価があるのは、景山民夫という人物の個性というか、考え方みたいな、そういうものが確かに存在する文章だからです。

 

ぼくは、この本が好きになり、何度も読み返しました。

そして、その他の彼の書いたエッセイを、漁って読み散らかしました。

 

 

ある日、こんなのを見つけたのです。「虎口からの脱出」

虎口からの脱出 (新潮文庫)
 

昭和の始め、中国大陸を上の表紙の絵のような自動車で走り切る冒険小説、なんていい加減な記憶しか無いので、ちょっと調べました。

この本も手許に無いのです。

 

昭和3年張作霖爆殺事件の目撃者の中国人少女を上海まで無事に届けろと、陸軍少尉西慎一郎は命じられます。

命じたのは、外務省の役人吉田茂。戦後の総理大臣になる人ですね。

上海から船に乗せて、少女を日本に連れて行くつもりです。

 

爆殺事件の犯人である日本の関東軍張作霖の軍隊である奉天軍、そして当時の中国軍である国民党軍の三者が、この中国人少女に懸賞金までかけて、追ってきます。

 

さあ、西少尉は少女を連れて、奉天から上海までの1600kmを4日で走り切らなければなりません。

選んだ移動手段は、デューセンバーグという自動車。これを調達するために、その車の運転手、アメリカ人のマイケル・オライリーも一緒となります。

3人を乗せたデューセンバーグが中国大陸を突っ走ります。

 

なんか正面きって「冒険小説」と言える内容でしょ。

血沸き肉踊るといった感じ。

 

この作品が景山民夫の小説としての処女作です。

これが出版に至った話も、どこかで読んだことがあります。

 

夜遅くまで酒を飲んで、景山民夫の部屋に泊まった後輩が、この原稿を見つけ読み出して、面白いから出版しましょうとなったという話。その後輩は出版社で働いているのです。

それが小説家景山民夫の誕生ということらしいです。

 

この後、当然「クー」も読みましたが、ぼくはこの「虎口からの脱出」が、好きです。

 

なんか、弾みで2冊の本を思い出してしまいました。

そのうち図書館で借りてきて読み直してみましようか。

 

これカテゴリーを読書にしなかったけど、まあいいや。