1965年て、ちょっと気になったんです。
これ、この前観た「網走番外地」の作られた年です。
ぼくはもう中学生になっていました。
東京オリンピックのあった年の翌年ですね。
東海道新幹線は出来てました。
そういう年の映画でした。
子供の頃、けっこう映画観ていたし、この後の高校生の時も、当時はフランス映画がたくさん封切られていてたくさん観たのですが、中学生の頃はあまり映画観に行かなかったのでしょうか。自分でもよく憶えてないのです。
映画の傾向のせいでしょうか、「網走番外地」シリーズは全く観ていません。
プラネット・テラー
そんなことを考えながら、昨日は「プラネット・テラー in グラインドハウス」なんぞを観てました。
ロバート・ロドリゲスでげす。
これ皆さんご存知と思いますが、「グラインドハウス」てのは、タランティーノとロドリゲスが、2007年にどういうつもりなのか、たぶんふざけたノリで、それぞれ長編映画を一本ずつと存在しない映画の予告編を5本作ってセットにした作品、作品群?、どう言えば良いんでしょうか、とにかくそういうものです。
タランティーノは「デス・プルーフ」という作品、ロドリゲスはこの作品を作りました。
なお、タランティーノはこの「プラネット・テラー」に俳優として、しょうもない役でちょっと出ています。
これが2本ともプライムビデオに上がっています。
両方とも、ぼくは既に観ているのですが、何回も観たくなるんです。
で、とりあえず今日はこっち。
これ、そのウソの予告編の一つが本編の前に付いています。
はい「マチェーテ」です。
「マチェーテ」はロドリゲスのいとこダニー・トレホ主演ということにしたウソ予告編なのですが、元々作るつもりだったのか、それともダニー・トレホにせがまれたのか、あるいは、この予告編を観た観客がせがんだのか、まあどうでもいいですが、本当の映画になりましたね。
この「プラネット・テラー」が、どんな内容の映画なのか、アホらしいので書きません。
上のポスター写真?の中央の片足の女性の義足がマシンガンであることに気が付かれましたでしょうか?
そういう映画です。ふふふ。
続網走番外地
これがこのシリーズの2作目です。出来た順に観ていこうと思い、一昨日観ました。
調べてみると、第1作を作ったのが1965年で、この年、このシリーズを4作も作っているんですね。最初のが当たると、どんどん作っちゃう。次の年に3作、そのまた次の年に3作って、まあ忙しく10作も作って、その後監督を変えて「新網走番外地シリーズ」がまた作られてしまってます。
よほど人気が出たんでしょうか。
短期間に何本も作られたので、皆さんの予想どおり雑な作りです。
雑で悪いのかよ?と言われると、まあ、雑でも面白ければ良いじゃないかということなのです。
回収できてない伏線あり、あの俳優なんで出てるのという疑問あったりですが、気にしないでおきましょう。
この映画のアウトライン
1作目と同じ人物、橘を高倉健が演じています。
ただ、この作品では、橘は刑期を務め上げてシャバに出てきました。子分のアイジョージを連れて、北海道から連絡船に乗り青森に渡ります。
その旅の途中で事件に巻き込まれ、悪い奴を倒すという、ライトなアクション映画、ちょっとコミカル混じります。
1作目もそうなのですが、高倉健は、表情、台詞の言い方など、あの「健さん」ではありません。
軽い演技を見せてくれています。途中で、「寅さん」みたいな啖呵売(たんかばい)を披露しています。橘はヤクザですがテキ屋系統なのでしょうか。
さて、高倉健はアイジョージを連れて連絡船に乗ります。
乗り込む直前に、女スリの嵯峨三智子に金をすられますが、すぐに気が付き、彼女と旅を共にします。
と、こんな塩梅でチームができます。
映画の冒頭、北海道の銀行が金庫破りに遭い、(たぶん)ダイヤモンドが盗まれます。
犯人は、このダイヤをマリモの模造品の中に隠して、この連絡線で本州に運んでいました。
船内の泥棒騒ぎで、このダイヤを入れたマリモが転がってしまい、アイジョージがこれをクスねます。この時点でマリモの中身のことはわかってません。
実は、このダイヤ窃盗団の首領は、網走刑務所で高倉健と一緒だった安部徹なのです。
ダイヤ入りのマリモを巡って、窃盗団と高倉健一行との間で騒動が展開されていきます。
安部徹いいんです
前作に続いて、同一人物の敵役を安部徹が演じますが、彼がなかなか良いのです。若い頃の安部徹は、かなり魅力的ですよ。
ぼくはテレビドラマでよく観ましたが、その頃は、かなり落ち着いた重厚な役が多く、そういうイメージを抱いてました。
なんというドラマだったのか忘れましたが、安部徹が犯人役だったのかな。
主人公に、子供の頃の話をするんです。
夏は川に泳ぎに行っていたこと、「その頃、俺は潜水の記録を伸ばすことだけしか考えていなかった」なんて台詞を言うのです。
なんでこんな台詞を憶えているのか自分でも不思議なのですが、もうじき自分の犯罪がバレてしまう直前の男の心象風景みたいなものの表現なのでしょうか、その一人語りの間が良かったんでしょうね、憶えているのです。
そういうシブい俳優のイメージなんですよ、安部徹てのは。
ところが、この1965年の作品においては、男臭い風貌で、表情も豊かなのです。ニヤッとした笑顔がなかなか良いんです。
ラストは高倉健と泥土にまみれて殴り合います。そういうの似合うのです。体格も良いし。
相変わらず嵐寛寿郎も出てきます
こちらも、前作と同一の登場人物を演じます。
八人殺しの鬼寅。
なんか鞍馬天狗なのです。
確か、前作では残りの刑期は21年と言っていたはずなのですが、この作品では颯爽とシャバで大立ち回りを演じてます。
まあ、あんまり細かいことを気にしてはいけない映画なのですがね。
登場してくるシーンでは、昔の時代劇にタイムスリップします。そんな感じ。
田中邦衛は、なんでいるの?
映画の最初の方に、田中邦衛が出てますが、これなんで出てるのか?
演じている役は、やはり前作と同一人物です。なんかストーリーに絡めるつもりだったのでしょうが、全く無関係。
それは良いのですが、ぼくらは田中邦衛と言えば、加山雄三の「若大将シリーズ」の青大将を真っ先に思い出すのです。
で、あれは1961年から10年ほど続いたシリーズでした。映画会社は東宝です。
当時は、俳優は映画会社ごとの専属みたいになっていたように思うのですが、若大将シリーズが作られていた時期に、田中邦衛はこの東映の映画に出演しているのですね。
そう言えば、田中邦衛は「仁義なき戦い」シリーズにも出演してます。
映画会社の専属ということでは無く、俳優座の役者として、いろんなところに出ているということなのでしょうかね。
あるいは、東宝と東映で、わりと自由に行き来があったのでしょうか。
そう言えば、星百合子は「若大将シリーズ」のマドンナ役で東宝の女優さんだと思ってましたが、東映高倉健の「花と龍」に出演してますよね。
シリーズの次の作品は
観ないかもしれません。
だけど、この2作目も、面白いのですよ。
もしかすると正月の退屈凌ぎに、3作目を飛ばして観るかもしれませんがね。