1923年に書かれたポアロ・シリーズ第2作・・・だと思います。
書かれた順に読んでみようかなと思ったんです、アガサ・クリスティのポアロ。
これね、タイトル良くないと思います。
読む気が起きないでしょ。
だけど、これ大傑作。
あのう、ゴルフ場で殺人事件が起きたんじゃ無いのですよ。
クリスティはミステリーの女王なんですけど、トリックというか謎を用意して、それを解いて見せるのがすごく上手なんですけども、彼女は本当に面白い小説が書きたいのだと、ぼくは思うんです。
本格推理物の女王なんだけど、作品も優れた本格推理物なんだけど、作品読んでると、どことなくジュルジュ・シムノンの「メグレ警部」のテイストをふと思い出したり、なぜかハメットやチャンドラーの残り香を嗅いだような気分にもなるんです、あくまでぼくの主観なんですが。
「なに言ってんの」と思われるでしょうけど、ぼくの勝手な主観なんで、どうしようもありません。
いずれにせよ、アガサ・クリスティーは、とても優れたエンタテイメント文学の作家なんです。
古畑任三郎って三谷幸喜さんが脚本書いた刑事ドラマあるでしょう。
刑事コロンボあたりを握り込んで作ったみたいなやつ。
あれ、基本はポアロですね。最近、再びポアロシリーズを読み返しながら、そう思いました。
この作品もヘイスティングが語り部として出ています。
綺麗な娘を見ると一発でメロメロになり、頭の中がお花畑。そしてとても間抜けでバカです。
こういうキャラを登場させなくても、ストーリーは展開できますし、クリスティーの作品にはヘイスティングが出てこないのもありますから。
だけど、作者は、この人物を好きなんでしょう。
今回は恋は盲目という感じ。
ロマンスも好きなんですね、アガサさん。
そして、この作品には、もう一人間抜けキャラが出てきます。
パリ警視庁のジロー刑事。
有名な名探偵であるポアロに対して、対抗心、敵対心を燃やします。
事件現場では物証に基づく綿密な捜査を行います。観察による捜査。猟犬のような敏腕刑事。
感じが悪い人なんです。
そして的外れの結果に辿り着く。
こういうのって、よくあるパターンですけど、やはり皆さんクリスティーを勉強してるんでしょうね。
内容のこと書いてなくて申し訳ありませんけども、これ、素晴らしく面白い作品で、ぼくは大好きです、とだけ言っておきましょう。
ミステリーがお好きなら、この気の利かないタイトルに騙されて、これを読まずにいるのは、とても残念で悔しいことだと思いますよ。