70代の真実

70代年金生活者の生活と思ってること、その他思がけないことも

「邪悪の家」はい、またポアロです

1932年に書かれた作品。

アガサ・クリスティ作のポアロシリーズ6作目。

 

名探偵エルキュール・ポアロの出てくる作品を書かれた順に読んでいこうと考えたのです。

しかしながら、先日読んだ「ゴルフ場殺人事件」の後には、

アクロイド殺し

「ビッグ4」

「青列車の秘密」

と3作続き、本作品は、そのつぎ、6作目なのです。

 

3作とばしたのは、「アクロイド殺し」は内容を知っており、「青列車の秘密」は、過去このブログに紹介を書きましたが、読んでいるのです。

じゃあ「ビッグ4」は、どうなんだと言うことなのですが、これ福井市立の図書館に無いんです。

内容をネットで調べると、推理小説と言うよりも冒険小説だとか書いてあるし、まあそのうち県立図書館で借りてこようと言うことで、いきなり本作を手に取りました。

 

どうも、ポアロは素晴らしい活躍を続け、とても有名な探偵となっており、もう引退しちゃおうかな、なんて考えているようです。

歳もとりましたし。

一方、ヘイスティングズは、「ゴルフ場殺人事件」で知り合い、恋に落ちた相手、シンデレラと名乗った不思議で魅力的な女性と結婚して、南米に渡り牧場経営をして、時折、帰国してポアロの活躍を横で見ているという状況なのです。

 

時期は8月。

場所は、イギリス南部の海沿いの町、海水浴場の女王と呼ばれリヴィエラを思い出させるようなセント・ルー。

ポアロヘイスティングズは、その町の一番大きなホテル、マジェスティックホテルでゆったり一週間リゾートを楽しもうとしていました。

そのホテルのテラスで寛いでいる二人の前に、若いきれいな女性がやってきます。黒髪、茶目っ気のある表情、大きなダークブルーの目、とか書いてあります。

というわけで、ポアロは最近立て続けに3件の事故にあい、幸運にも無事でいる彼女を守るために立ち上がるのです。

内容については、これ以上は書けません。

 

まず「死体を転がせ」って、ミステリーでよく言われますが、この作品では少し遅く、125ページ目で死体がころがります。

それでも、さすがにミステリーの女王アガサ・クリスティ、125ページ目でも、死体は少しも遅くありません。

 

クリスティが偉いのは、とにかく怪しさを読者に感じさせ、最後までぐいぐい引っ張っていこうという意図が明白なところです。

幾つもの謎が提示され、それを読者が見過ごさないように工夫されています。

同時に、間違った推理、ミスリードの罠が仕掛けられて、読者がまんまと引っかかるようになっています。

ぼくは何度もていねいに前のページに戻るようにしています。ちょいとしたヒントがさりげなく書かれているのです。

そして事件の真相に関係ない、悪事、企みがしこまれています。

それでいて女性らしいロマンスも描かれていて、本当にすごい作家です。

 

実は、この本と共にもう一冊持って帰ったポアロシリーズは、またしても順番を無視した11作目なのですが、続けて読まずに、しばらく「おじいちゃんの小さかったとき」という絵本を眺めるつもりです。