子供の頃のように

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チャンドラーの短編集、事件屋稼業を借りてきちゃった

チャンドラーの短編で「事件屋稼業」というのがあります。

これが最近気になっていたのです。

 

以前、創元推理文庫から出ているのを持っていました。

短編集で出ているのが何巻かあり、全部持っていたのです。

でも、ほとんどの本を捨てましたから、もう手元にはありません。

正直、同時に捨てたハメットの短編集は惜しいと思っているのですが、こっちは、まあ無いなら無いで・・・という感じでありました。

 

でも、最近、「事件屋稼業」という作品が気になって、もう一度読んでみようかと思うようになったのです。

で、図書館で借りてきました。

図書館にあったのは早川書房から出ている方です。

チャンドラー短編全集4。

短編小説のタイトルは「トラブル・イズ・マイ・ビジネス」という原題をそのままカタカナにしたものです。創元推理文庫の方は「事件屋稼業

翻訳も、こっちは佐々田雅子さん、昔ぼくが読んだ創元推理文庫のは稲葉明雄さんです。

 

さて、この短編が気になっていた理由は二つあります。

 

理由1:書き出し部分

この書き出し、けっこう有名なんじゃないのかな。

矢作俊彦が「あじゃぱん」の中で、ちょっともじって使ってます。

こういうのは「パクった」のでは無く、「オマージュ」て言うんでしょうね。矢作俊彦とチャンドラーなら、皆さん納得です。

 

ちなみに、この「あじゃぱん」は、チャンドラーの「さらば愛しき女よ」のパロディ、あ失礼しました、オマージュで、終わり頃に「さらば愛しき女よ」の最後の部分をパロって、あ失礼しました、オマージュっています。

 

この書き出し、時々思い出すのですが、実際、どう書かれているのか、ちゃんと思い出せません。

人の名前とか、やはり無理ですから。

これ、もう一度読みたかったのです。

 

一部端折って引用してみましょう。書いておけば、あとで見れますし。

んで、大変申し訳ありませんが、佐々田雅子さんの訳に、うろ覚えの稲葉明雄さんの訳が混じってしまいます。

アンナ・ホールジーは体重240ポンド、くすんだ顔の中年女で、・・・・・。

そのアンナが言ったもんだ。

「男が欲しいのよ」

 

「ハイセンスな女でも口説けるほどかっこよくて、パワーショベルと殴り合えるほどタフな男が要るのよ。バーの遊び人みたいに立ちまわれて、フレッド・アレン(コメディアン)顔負けの受け答えができて、トラックと頭からぶつかっても、かわいいお姉ちゃんにスティックパンで叩かれたぐらいにしか思わない男がね」

 

「あんたでもいいのよ」

すごく端折ってしまいましたし、言葉まで変えた部分があって、翻訳の佐々田雅子さんには大変失礼なことをしてしまった事をお詫びします。

 

ああ、もう大丈夫。またこの記事を読み返したら思い出せます。

 

 

理由2:「ボヘミヤの醜聞」 これは全くのぼくの思い込みですが

この「事件屋稼業」あるいは「トラブル・イズ・マイ・ビジネス」という話は、そこそこの規模の探偵事務所を経営しているアンナ・ホールジーから、マーロウが依頼を受けます。下請けですね。

依頼内容は、

ジーターという金持ちだが締まり屋の爺さんの養子の息子(死んだ奥さんの連れ子)が、ハリエット・ハントレスという女にぞっこん、惚れている。

しかも、その養子の息子は街を仕切っているギャングのボスに博打の借金をつくり、5万ドルの手形を書いている。

この息子は、28歳になったら亡くなった母親(ジーター老人の妻)からの遺産の信託状態が終わり、大金が自由になる。

女と手を切らせて欲しいということです。

 

 

でね、最近、ふと、シャーロック・ホームズの「ボヘミヤの醜聞」という作品を思い出したのです。

はい、アイリーン・アドラー、ホームズが「あの女」と呼ぶ女性が登場するやつです。

これは、ボヘミアの皇太子が、アイリーン・アドラーという女性に恋をして、恋文を送ったのですが、それをネタにゆすられても困るので、ホームズにその回収の依頼が行きます。

 

チャンドラーの方の展開は、まあハードボイルドらしい感じで、正直ストーリー自体は、ぼくはあまり好きではありません。

ただ、ぶっちゃけ「ボヘミアの醜聞」の方も、割合しょうもない話みたいな・・・すいません。

両方のストーリーは全く違います。

でも、なんとなくこの作品、「ボヘミアの醜聞」を意識したのかなって気が、ほんのちょっとだけしたのです。

 

それで、この「事件屋稼業」あるいは「トラブル・イズ・マイ・ビジネス」をもう一度読んでみたくなりました。

 

完全にぼくの思い込みですよ。

 

 

どういう訳か、忘れてない部分

アイリーン・アドラーは唯一ホームズが女性を意識する訳ですし、ガイ・リッチーが監督したシャーロック・ホームズの映画では、かなり重要な役になっています。

対して、チャンドラーの書いたハリエット・ハントレスの方も、なかなか素敵に書かれています。まあ、チャンドラーの小説には、ハントレスに限らず、魅力的な女性が出てくるのですが。

 

ハリエット・ハントレスを描写した有名な文章をちょっとだけ持ってきます。

 

左右の目の間が空いていて、そこに思考室がある。

 

いい女のようで、彼女が泊まっている高級ホテルの警備をしている探偵のおっさんは、マーロウに、こう言います。

 

彼女のことを考えると、おれは外に出て、その辺を一周歩いてくるんだ。

 

面白い言い方ですね。これらも、ずっと記憶に残ってました。

 

 

 

割合しょうもない理由で、昔読んだ作品を読み返してみました。

正直、ストーリー展開はよく憶えてませんでしたが、読み返すと、どうということもない話でした。

でも、この短編は、結構みなさんの心に残っているみたいですね。

事件屋稼業」というタイトルも、Vシネとかドラマシリーズでよく使われてますしね。