うちで購読している地方紙は、毎週日曜日に見開きで読書ページが載ります。
書評欄。
何冊も本が紹介されていて、ぼくはiPhoneを持って、そのページを読みます。
たいがい1冊は、読もうかなと思う本が紹介されていて、それを市立図書館のサイトで検索して、予約するのです。
大人気の作品でなければ、すんなり手に入るのですが、さすがに同じことをしている人たちがいて、一人か二人がぼくの先を越して予約してしまっていることがあります。
この本も二人読み終えるのを待ちました。
怖い本です。
やはり女性作家の書くものは怖いです。
舞台は長野。冬が長く寒いらしいです。
主人公はジムのインストラクター、副業で塾教師や家庭教師もしています。
マイホームを持つなら、寒い冬でも暖かい家が良い。奥さんが寒がりなんです。
そして、たった1台のエアコンで家中が暖かい「まほうの家」のモデルハウスを見て、契約し、家を建てます。
ところが、その家に入居してから奇妙な事が起こり始めます。
家を凝視したまま動かない知人の子供、赤ん坊の瞳に映る恐ろしい影、地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘。
主人公の実家には、母と兄が住んでいます。
兄は統合失調症。
兄とのことで主人公の心の中にはいろいろあります。
そして主人公は閉所恐怖症。
いろいろ要素を用意してくれている作品です。
主人公は理想の夫、のはずですが、実は便利な不倫相手がいます。
彼女との関係にも不思議な嫌がらせが起きます。そしてついに関係者の一人が殺されるのです。
作品のジャンルを書くのは、ネタバレ的にどうかなと思うのですが、宣伝に「オゾミス」と書かれているので良いのでしょう。
ホラーなサスペンス。
たしかに、おぞましい作品です。
一番最後がイヤ。
これ第13回小説現代長編新人賞受賞作だと読み終わってから知りました。
ゆっくり読もうと思ってたら、一気に最後まで読んでしまいました。
力あります。