新しい日本人生徒
夏になると、新しい日本人の生徒も、何人か現れました。
この人達は、最初から、しばらくいて他所のELSに移動するつもりです。
確か、一度その街のELSに入ると、他所への転校は最低限の期間制限されたと思います。
その期間が何ヶ月間だったのかは、よく憶えてません。
学校で日本人の顔を見るとホッとしました。
彼らは上手に、クリーブランド近郊へ旅行していたようです。
シカゴなんかも近いので、日帰りで遊びに行ったようです。
その日本人の一人Mくんから、ナイアガラの滝に行こうよと、持ちかけられました。
ナイアガラ
ナイアガラの滝は。ご存知のようにアメリカとカナダの国境あたりにあります。
クリーブランドが面しているエリー湖の北東にオンタリオ湖があります。
このエリー湖とオンタリオ湖をつないでいる河がナイアガラ川です。
ナイアガラ川の途中に川幅が太くなっている所があり、その部分の真ん中に島があります。この島のところで段差があり広大な滝となっています。
この川の真ん中にアメリカとカナダの国境があるんです。
だから、滝も島を挟んで、カナダ滝とアメリカ滝に分かれます。
3人だったか4人だったか記憶がおぼろげですが、ぼくの車に乗ってクリーブランドを出発して、ニューヨーク州のバッファローという町に行きました。
ナイアガラの滝のそばにある町です。
ここのホリデーインかラマダインか、適当なモーテルに泊まりました。
夜、食事した後、外を散歩してたら、若いあんちゃん達の乗った車が、ブンブンとエンジンを鳴らしながら走ってきて、ぼくの横にキーッと止まり
「ナイアガラの滝は、右か左か?」と聞くのです。
ぼくらが歩いていたのは、川に向かう道で、川にぶつかるとT字路になります。そこを右に曲がるとナイアガラの滝に行きます。
ぼくは腕を上げて、右の方を指し、そしてどういう訳か「左だ」と口走ってました。
あ、違う、右だと言った時には、アンちゃんたちの車は勢い良く発車し、キューって音を立てて左に曲がっていました。
ゴメンね。
なんでこんな事よく憶えているんだろ。
瀑布見物
滝です。すごくでかい滝です。ナイアガラ瀑布です。
昨夜の失敗を少し悔いながら、ホテルで目覚め、右手を見ては「右」と言い聞かせて滝の見物に行きました。
穴だらけの記憶で申し訳ありませんが、ぼくたちはナイアガラ川に掛かった橋を歩いて渡りました。
パスポートをしっかり持っています。
橋の中央に、横線が描かれています。
この横線が、国境の線です。なんか漫画みたい。
橋を渡り切ると、そこはカナダ。
イミグレーションの事務所に入れられて、入獄手続きじゃなくて入国手続きをしました。
カナダ滝を見物するのです。
確か、こっちの方が良いのだったと思います。
実際に行かれた方もいらっしゃるでしょうし、あるいはテレビなどでご覧になっている方も多いと思います。
すごい幅です。
ものすごい広大な幅の滝です。大きすぎて滝だという気がしないくらい。
すいません、webで写真見てください。ここに貼ると、いろいろややこしそうなんで。
カッパを借りて近くまで行ったように思います。
とにかく見物するのは、水が落ちている下の方からです。
船に乗って滝の近くまで行ったのですが、この船の中で貸してもらったカッパと、違う色のカッパも着たような気がするのです。
まあ水しぶき。
頭から濡れました。
そういう滝の見物の仕方も初めてでした。
Mくん
このナイアガラの滝に一緒に行ったMくんとは、その後も一緒に旅行に行きました。
クリーブランドの中でも、遊びに出たりしました。
あ、メキシコとホンジェラスから来た女性の生徒たちと一緒にディスコに行ったこともありました。
メキシコから来た女の子が、ダウンタウンに看板が無いディスコがあると言うんです。
んじゃ行こうかということになり、別のメキシコの女性も加わりました。
でも、この二人だと日本人のぼくたちが負けそうなので、ホンジェラスから来た、いとこ同士のお嬢様が品が良いので中和剤として誘ったんです。
今思い出すと、女の子が4人で、Mくんとぼくの6人が一台の車で出かけたんだけど、あれ5人乗りの車だったんです。不思議ですね。帰りは飲酒運転だったし。
取り締まりが無かったんです。