いつも贔屓のお菓子屋さんがあります。
ここの緑のアンコと白いアンコの饅頭が大好きなんです。
えんどう豆と白インゲンですか。香りがなんとも言えず美味しいのです。
作りたてが手に入る時もありますが、そうでなくても、作ってからそんなに時間が経ってないものが売られています。だから甘味を少し控えて作られるのです。
家内を車に乗せたまま、ぼくが店に入ると、小さなおばあちゃんが店番。
「緑と白の饅頭、二個ずつ」
一つ130円ですから4つで520円、一万円札を渡してお釣りは9,480円。レジの窓に金額が出ていますが、おばあちゃん、9千円のあとのお釣りを少し迷いながら百円玉や十円玉を取ったり戻したり。
時間かかっても、饅頭美味しいから構いません。
やっとお釣りが確定した時点で、陳列ウィンドウの中の「あじさい餅」というのが気になり、それと葛まんじゅうの違いを質問してしまいました。
白くて、どうも葛で包んであるように見えたのです。
おばあちゃんは、「ええ」と言いながら陳列棚の方を見て、ゆっくりと返事をしようとしましたが、いつのまにか息子(と言ってもオッさんです)が店に出てきてました。けっこう大きな体格で、Tシャツを着て、頭を手ぬぐいで覆って、にこにこと立ってます。この人が美味しい饅頭を作っているのです。
「あじさい餅は、粒あんを桜餅みたいに道明寺で包んで、その上から葛で覆ってます」
見た目が葛まんじゅうに似ているので、こしあんかなと思ってましたが、粒あんか。
道明寺に粒あん。葛がかかっている。なんか美味しそうな気がします。なんせこの店のアンコです。
今日は饅頭を4つ買ったので、これ以上は食べられないから、次回にしましょう。
うきうきと家に帰り、お茶を入れて緑の饅頭を二つに割って、二人で分けてパクパクと食べます。田舎饅頭でけっこう大きいのです。半分でも一口というわけにはいきません。口中にエンドウ豆の香りが満ちます。なんとも言えません。
次に白い饅頭。これも二人で。香りと甘味で、ああ幸せ。
もう一個、白を。緑一個は夕食後の楽しみに。
エヘヘ。