子供の頃のように

自由と幸せ。好きなように散歩したり、本を読んだり、気ままな生活の日記です。twitter始めました。@edaywalk

赤松利市の「犬」は、すげえ面白かったのです。ネタバレ無し。

ぼくは散歩するときにiPhoneポッドキャスト聴いています。

4つほどの番組を購読登録してるのですが、通常のラジオ放送をPodcastで配信しているのもあります。

その一つに大竹まことゴールデンラジオ大竹メインディッシュというのがあるのです。内容はゲストとの会話。

ゲストによって聴いたり聴かなかったりしてます。

 

ある日、赤松利市がゲストでした。

ぼくは、この人知らなかったのですが、住所不定作家という肩書が面白くて聴きました。

それでね、そのうち読んでみようと思っていたのです。

 

赤松利市

昭和31年生まれです。ぼくより3つ若いです。

Podcastで聞いた彼の経歴が、結構面白かったのです。記憶が危ないのでWikipediaその他にお世話になりつつちょっと紹介。

 

大学出た後大手の消費者金融会社に入り、上場準備の激務の結果、燃え尽きて退社。

その後、ゴルフ場の芝生管理の仕事につき、35で独立し会社を立ち上げた、ものすごく儲かったらしい。ただ、会社の仕事が忙しく、加えて妻子ありながら愛人にも手を出し、さらに精神的障害のある娘を抱え、仕事も家庭も全部破綻。

東日本大震災後、東北で土木作業員、福島で原発の除染作業員などを5年ほどした。

その後、男と逃げた娘を追って5千円持って上京。風俗店の呼び込みなどをして漫画喫茶で寝起きする住所不定生活を始める。

 

漫画喫茶で書き上げた『藻屑蟹』で2018年に第1回大藪春彦新人賞を受賞して遅い作家デビュー。

2019年、『鯖』が、第32回山本周五郎賞候補。

2020年、『犬』で第22回大藪春彦賞を受賞。

 

現在、新型コロナウイルスの影響で、寝ぐらにしていた漫画喫茶などが休業してしまったので、アパートを借りて住所不定状態では無くなったとのことです。

 

 

さあ「犬」です

さすがに賞をとった作品です。むちゃくちゃ面白いのです。

犬 (文芸書)

犬 (文芸書)

  • 作者:赤松利市
  • 発売日: 2019/09/28
  • メディア: 単行本
 

 

 

座裏と呼ばれる場所、大阪なんば新歌舞伎座裏だから座裏と呼ばれるエリアは、もともとホモセクシャル、あるいは女装した男を男が求める場所だった、と開始2ページ目の終わりに書いてあります。

主人公は、この座裏でプレミア泡盛と手作りのおばんざいを出すカウンターだけの店「さくら」の女将。と言っても、60過ぎたオカマの桜さん。

店には、女将の他に、沙希という、この道長い女将の目から見ても女の子にしか見えない美少女の男が働いています。

そう、オカマコンビ。

女将はこの沙希が気に入っています。あ、母親として娘のように可愛がっているという意味です。結構ややこしい設定ですね。

 

そんなある日、桜の前に昔の男 安藤が現れます。手ひどく桜を捨てた男です。

それでも、老後の生活を考え始めた桜が、女に戻るのです。

 

今はFXをやって、1億を動かしているんやと安藤は言います。

何回か店に顔を出す安藤は、ある日桜を抱きます。安藤との昔を思い出し、安藤の女に戻れたらと桜の気持ちは怪しく揺れるのです。

自分に1千万預けたら、儲けさせるぞ。1千万出せよと安藤は言います。

かって東京で名を売ったニューハーフの桜ですが、もう貯金は一千万円しか残ってません。

これは老後のための虎の子。

安藤は、ただ金目当てだと分かってはいるのですが、最終的に金を渡してしまうに決まっている自分。

 

そんな桜を沙希は心配します。

孤独なオカマ同士の、肉親に対するような情と信頼。

お母さんと娘。

 

安藤に渡す一千万円をトートバッグの中に現金で用意する桜。

ああ、ダメ、お母さん。だまされている。

安藤に手渡される直前に、沙希はその一千万円と共に消えるのです。

SNSのメッセージ読むと自殺するかも。

しかし、メッセージは続いて送られてきます。まるで自分の行き先について来いと言うように。

沙紀の身を心配する桜と、欲にまみれた安藤は大阪駅を出発します。

 

大阪発。愛と暴力の旅が、今、始まった。

本の帯に、そう書かれてます。

 

あのね、倒錯でエロくてグロい。

しかし、このオカマたち心が女だから、小説で読む分には女性が主人公ってことなんです。

女性ときどきおっさん。

 

 

とにかく無茶苦茶面白い。

これ読んで下さい。

これ読まなくちゃ。

 

 

なんかね、昔読んだ子供向けのお話に、おっさんのドロドロをチョコレートコーティングしたような。