「パーフェクト・デイズ」をPrime Video で観ました。
今年の観納めです。
この作品を観てない人も大概のことはお分かりだと思います。
公衆トイレの掃除をしている人の、毎日の日々を描いた映画です。
主人公は役所広司が演じる平山という男です。独身で古いアパートに住んでいます。台東区、浅草の近くみたいです。彼の部屋は階段があり2階もある、何と呼べばいいのか、古いけど今風の間取りです。あ、メゾネットって言うのですね。2階には植物たちがいて、平山は朝、仕事に出る前に霧吹きで水をやってます。
毎日、早い時間に起きて、いつものルーチン通りに動き、自動販売機で缶コーヒーを買って、自分の仕事道具を積み込んである軽ワゴンで、まだ暗い時間に出発します。
受け持ちの公衆トイレを周り、いつものお寺の境内みたいな公園でお昼のサンドイッチを食べ、再びトイレ掃除に戻り、おそらく2時頃に仕事を終えて、銭湯の一番風呂(たしか3時から銭湯が開くんですよね)に入って、地下鉄の浅草駅の地下街の、甲本雅裕が大将を演じている飲み屋で酎ハイを飲み、アパートで古本屋で買った文庫本を読み、さっさと寝て、何やら夢を見ます。
そして休みの日は、コインランドリーに行き、石川さゆりのやっているバーで2杯以上酎ハイを飲みます。
平山は、こういう日々を、楽しく満足そうな表情で送っているんです。
ちょっとした小さな出来事が起きるのですが、平山はペースを乱されそうになりながらも、結局あの毎日に戻り、とても幸せそうにいつもの日々を過ごすのです。
小欲知足。
監督はドイツ人みたいですけど、なんだか仏教的な感じです。小津安二郎の映画に憧れていると言う監督なのですが、どうなんだろう。
とにかく役所広司がやりたい放題やってます。というか役所広司に「任せるからお願いね」と言う感じにも。
脇もかなり豪華で、よく気をつけていないと見逃してしまうほどちょっとした役に名前のよく知られた俳優さんが出ています。
仕事仲間の柄本時生、もしかしたら田中泯? と思ったらやはり田中泯、一瞬の研ナオコ、さっき言ったけど石川さゆり、甲本雅裕、何しているの? の安藤玉恵、平山の妹は麻生祐未、スナックの客でモロ師岡、あ、三浦友和も出てます。
地味で淡々とした作品ですけど、変に面白かったです。
あ、平山が車の中でカセットテープの音楽をかけるのですけど、あれ、ぼくにドンピシャリ。主人公は、ぼくらの世代かそれより年上なんだろうなと思ったけど、70過ぎって訳は無いし、役所広司もそんなふうに見えないけどと調べたら68歳だって。平山は実際に何歳の設定なんだろう。
ま、とにかく音楽も良いんです。
それから、よくわからないこと。
平山の暮らしている木造アパートは、部屋を借りているのか、それともあの敷地と建物を平山が所有しているのか?
あんなアパートが建てられていた頃ってメゾネット形式のは、あんまり無かっただろうし、1、2階分の家賃を払うような人は、もうちょっとマシなところに住むでしょう。
もしかして古いアパートを買って、改造して住んでいるってことも・・・
ま、謎の男なんです平山は。
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