「元彼の遺言書」ってテレビドラマを覚えてますか?
ひどいドラマでした。
原作は「第19回『このミステリーがすごい!』大賞」を受賞してますし、実際読んでもなかなか面白かったのです。
ところがフジテレビがこれをドラマ化し、これでもかというほどグチャグチャにして、何となく原作の残骸は残ってたものの、第1回目の話の中に無理やり詰め込んでさっさと話を終わらせて、その後の回からしょうもないオリジナルのストーリーを流しました。
ぼくは、このドラマを、ちょっとだけ観て、そのあとは無視しました。
テレビ業界てのはひどいところなんですね。
さて、その「元彼の遺言書」の作者、新川帆立は、「セクシー田中さん」の原作者のように自殺しててもおかしくなかったのですが、その後も作品を書き続けてくれていたのです。
ぼくは、あのテレビドラマ化のショックというか後味の悪さから、新川帆立をフォローしてませんでしたが、「先祖探偵」という作品があるのを知り、読んだのです。
先に言いますが、「元彼の遺言書」と全くテイストが違ってます。
「元彼の遺言者」は、女性が主人公の翻訳ミステリーぽい、しかも結構派手な雰囲気がありました。
しかし「先祖探偵」の方は、かなり落ち着いてまして、女性が主人公のミステリー風味の国内小説。派手さはありません。
でも、何となくこっちの方が女性小説家という雰囲気はあります。
そういうわけで「元彼の遺言書」を頭の中から消して、ニュートラルな態度でこの作品を読みましょう。
この本は連作の短編小説集です。
主人公の風子は依頼人の先祖をたどってくれる探偵なんです。戸籍などの資料を調べるし、その先祖がいた場所を訪ねて調べたり。
いわゆる本当の探偵とは違います。役所の扱いも違うらしい。
各話とも、依頼人の先祖を調べるうちにそれぞれのドラマを知るようになるという感じかな。
ところで風子は父親を知らず、子供の頃に母親に捨てられて施設で育ちました。自分の戸籍も無かったのですが、そういう事情なので施設の人が新たに作ってくれたのです。風子という名前もその時につけてもらったものです。
彼女は自分の先祖をも探偵しなければならないのです。
ということで、そっち方面の謎も解いていかなければなのです。そういう方向のストーリーが5つの短編を通して描かれます。
地味だけど、結構面白かったですよ。
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