the Last Dance 70代の真実 

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「フェアリー・テイル」スティーヴン・キング ようやく読了

おとぎ話って、最後に悪い魔法使いとか王様とか、敵役をやっつけると、それまで薄暗かった空の雲が消えて、美しい青空になるってのが定番のラストシーンですね。

で、めでたしめでたし。

 

フェアリー・テイルというタイトルですから、もろ正面きっておとぎ話ってことかとタイトル見て思いました。

いつもながらの上下巻を横に並べて一つの絵が完成という表紙。

キングが、そんなストレートなおとぎ話を書くのかよ、という疑問と、書くかも知れない、「ダークタワー」なんか途中からついていけなかったもんな、という恐れが入り混じりながら表紙を開けたのです。

 

この本は、いつもながらお世話になっている本猿(id:honzaru)さんのブログ見て、読もうと思いながらも日々が過ぎという具合で、ちょっと遅ればせながら読んだのです。

だからストレートなファンタジーという予備知識はあったんですけどね。

 

キングはコロナ禍の中で、自分と読者を元気にする小説を書きたかったようなことが解説の中に書いてありました。

 

作家てのはそういう衝動があるんでしょうね。あのエルモア・レナードも孫のために「ママ、大変、うちにコヨーテがいるよ!」てのを書いてますもんね。童話のつもりでしょう。

これ一応童話なんだけど、本の中に人魚姫の短いお話も入っていて、ぼくはその短編もけっこう好きなんです。正直、子供向けとは言い難いですけど。

 

ま、それはそれとして、このキングの「フェアリー・テイル」は前半が現代というかこの世の話で、後半がお待ちかねのあっちの世界の話です。

構成は約束通り。

ハッピーエンドに向けて僕はこの旅を続ける。と帯に書いてある通りのハッピーエンドが待ち構えています。「もちろんお待ちかねのハッピーエンドだ」って表紙の袖にもありますし。

 

この世の話は、身長190センチの17歳チャーリーが、近所の怪しい屋敷の老人とその飼い犬レイダーと知り合い、信頼を育み、というような話の展開です。

ところが、話は簡単にサラッと進むわけではなく、なんと上巻の前半じゃなくて終わり近くまで丁寧に描かれていきます。

おとぎ話への導入部、イントロという長さじゃありません。ちょっと気が急くけど、ついじっくり読んでしまいます。

キングって粘着質なんです。でも、この大作家の特徴で章を構成する各セクションが短くて、展開はゆっくりしてるのですが、画面の切り替えがテキパキしてて、ぼくらに本を放り出させないのです。やっぱりすごいんです、キングは。

 

告白しますが、おとぎの国に入ってからの下巻部分は、差し支え無い程度に途中を読み飛ばしながら読みました。おとぎ話の定番部分というか予測可能な部分がありますから。

ナイトソルジャーが登場してからは、おとぎ話にしては割合斬新でした。

 

そういう具合の作品です。

やはり面白かったです。

 

ところで、巻末の解説によれば、「ミスター・メルセデス」から始まるホッジス3部作および「アウトサイダー」で活躍した、ぼくが大好きなホリー・ギブニーの登場する長編が出るらしいですね。とても楽しみです。

 

 

 

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