the Last Dance 70代の真実 

70代年金生活者の生活と思ってること、その他思がけないことも

「たのしい保育園」滝口悠生

ぼくは滝口悠生という作家が、なんちゅうか好きなんです。

三人称の文章の視点がゆるゆると変わっていく、あの変な感じが好きです。

普通、そんなことすると読んでる方は混乱しますけど、なぜか現在誰の視点で誰の思いが語られているのか、読んでる方は普通に把握していられる、あの文章。

昔、京極夏彦を読んだ時は、手数の多い文章だなと思いましたけど、こっちは口数の多い文章。

視点の主の思いなどが口数多く語られます。視点を移動しながら、それぞれの視点の持ち主がとにかく語るのね。

これ、書いてる人はゾクゾクするほど気持ち良いだろうな、という文章。

架空だけど他人の頭の中に入り込んで、思い切り中身を語るんです。語っているうちに、その人物のバックグランドとか記憶とかがわかって(思いついて)きて、さらに語るのね。

 

で、「たのしい保育園」

ぼく、この表紙好きです。

昔、幼稚園とかに行ってた頃、こういうのに馴染んでたような気がするけど、実際にはその時代にはこんな図案は無かったと思います。

 

いつもお世話になっている本猿(id:honzaru)さんのブログで紹介されてたので、そそくさと図書館に予約して借りてきたのです。

 

主人公はお勤めなんかしてなくて、時間をある程度自由に使える仕事をしているお父さん。たぶん作家やってる滝口さん本人みたいな気がします。

ももちゃんていう保育園に通っている娘がいるの。

で、お勤めしている奥さんに代わってももちゃん連れて保育園に行くんです。

ももちゃんとお父さん、同じ保育園に子供を通わせているよそのお父さん、ももちゃんの担当の先生とか、いろんな人たちとこのお父さんは関わりを持ち、その都度、その関係者の間で視点が移動し、それぞれの人たちの思いが語られていきます。

この作家の特徴として、同じ出来事を視点を変えて何度も語るてのがありますけど、この作品はそこまでやってない感じです。

だから、程よく面白いです。

これ連作短編集って言うのでしょうか。

 

暑い夏に、ちょっと小旅行に行き、そこで撮った写真をネタに下手な絵を描いて遊んでおりまして、気がつけば今日が返却期限で、面白いと言いながら最後まで読みきれてませんでした。

期限の延長をすれば良いのですけども、急にキングが読みたくなってしまい、とりあえず借りた本を返して、目当ての本を棚で見つけられずに別のキングの作品を借りてきました。

この「たのしい保育園」は、また借りてきて続きを読みます。

短編集だから、そういうのが可能なんですね。

 

 

 

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