ちょっと変な本読みました。
この本、「明智卿死体検分」という短い長編?って変な言い方ですねーーー著者のあとがきでは、原稿用紙300枚弱と書かれていますーーーと、「天正十年六月一日の陰陽師たち」という短編が入っています。
ちょっとしたミステリー小説です。
変なのは、陰陽師たちが活躍しているのと、織田、豊臣、徳川あたりが出てくる歴史を好きなように弄っていて、事件が起こり解決されているのがいつ頃なのかが判断つきかねる、はっきり言って架空の時代と空間が舞台になっていることです。
明智卿死体検分
明智と言えば、光秀も小五郎も思い浮かびますが、「明智卿死体検分」の主人公である明智小壱郎光秀は、織田の家臣であり、事件解決ののちには帝から「小五郎」を名乗ることを許されます。明智小五郎光秀ですね。
あずまや(東家とも四阿とも書きますね)の中に雪がいっぱい詰まっていて、その雪の中に埋もれて男が凍死していました。
この事件を調査せよと帝から命ぜられた権刑部卿である明智小壱郎光秀は、上級陰陽師の安倍天晴と共に事件の起こった菊の御料所に乗り込みます。
で、とても不思議な事件を解いていくのです。
なお、ここで言う陰陽師とは、ほとんど魔法使いです。
雪は建物の中で降ったのです。そういう不思議が行われたのです。
雪は降り続き、建物を満たしました。そして男が一人、その雪の中に埋まり死にました。
この男が死に至るまでのことを明智小壱郎光秀は解き明かします。
ぼくは、その起こったこと、男が死に至った過程が、けっこう好きです。
作者は、この小説がアメリカの作家ランドル・ギャレットが書いた、ダーシー卿とマスター・ショーンの登場するシリーズ(「魔術師が多すぎる」など)からインスパイヤされていると書いています。
そのシリーズで描かれたヨーロッパが科学ではなく、魔術によって文明が成り立っているとき、極東の島国は一体どのようなことになっているのか、想像を巡らせたものだ。
と言っています。
ま、あんまり詳しい内容は書きません。
天正十年六月一日の陰陽師たち
このタイトルの日付、なんか思い出すことがあるでしょ。
あ、これはミステリーではありません。
この話では、織田信長は討たれませんのです。
これ2022年12月23日初版の本です
新しいですね。出たばっかり。
図書館の最近出版された本というコーナーにあったので掴んできました。
面白かったような気がしますけど、設定が独自の世界なので、読んでいて疲れました。
後ろの短編の方を先に読んで、それから前の短い長編を読みました。正直、最初の2、3ページで読むのやめようと思いました。
まあ、それでも面白いかもしれないと思い直して読んだのです。
短いので、読むのもすぐでした。