Prome Videoを彷徨っていると、これ観ようと思った映画が見つかり、とりあえず「次に観る」に放り込んでおきます。
ま、そこに入れても見ない映画はあって、そういうのは、だいぶ経ってからリストから削除してしまうのです。
実は、だいぶの間、デットストックになっていた映画がありました。
ああ、これは観ないでおこうと削除しかかったのですが、評価は星4つ半。
1995年に作られたその作品は、アル・パチーノが出ます。
ファンの方たちには申し訳ありませんが、あの人、ヤクザか刑事の役がほとんど。さすがに一流俳優なので、出ている映画は面白いのですが、あの顔を見るのが嫌なんです。確かにヤクザか刑事にしか見えないあの顔。
で、観ないままリストから削除しようとしましたが、この映画に至るまで3つほど最初だけ観て止めた作品が続きました。
星4つ半なら間違いはありません。
と言うことで、観始めました。
冒頭、黙って歩いている俳優を、しばらく観てたら、だいぶ若くて顔が細いけどもロバート・デ・ニーロだとわかりました。そしてヴァル・キルマーも、ああ「マチェーテ」でお馴染みのダニー・トレホ、そして、あれは・・・俳優の名前を思い出せない・・・アンジェリーナ・ジョリーの父ちゃん、そうジョン・ボイド。そしてアル・パチーノ。まだ子供のナタリー・ポートマンもいます。
すごい豪華な配役。
で、この映画、ほぼ3時間の長さです。
はい、「ヒート」観ました。
ヤクザか刑事。この映画ではアル・パチーノは刑事です。
3回目の結婚をしてる、仕事に夢中になって家族を顧みない、あのパチーノの顔に似つかわしい役。奥さんの連れ子はナタリー・ポートマン。
そして、デ・ニーロは数人の仲間と組んで大きなヤマを狙う強盗。
まずい事になったら、30秒フラットで逃げるためには家族とか恋人とか、そういう邪魔になるものは持たないとほざいています。
ヴァル・キルマーも、ダニー・トレホも、トム・サイズモアも、デ・ニーロの仲間、犯罪者です。
デ・ニーロのモットーに反して、この三人は家族を持っています。
初っ端にデ・ニーロたちは、派手な強盗を働きます。
白昼、郵便の自動車を襲い、高額な証券を強奪します。
必要なければ誰も殺さないでおこうと言う計画でしたが、新入りのウィングローという男が警備員を射殺。そうなるとどうしようもないので、全員射殺して、警察が来る前に強盗は逃げました。
気がついてから警察が動き出して、どのくらいの時間で現場に駆けつけるのかを計算して、襲撃ポイントも選んでいました。
デ・ニーロは、頭のいい犯罪者なのです。
アル・パチーノは、この強盗団をなんとしても捕まえようと頑張ります。
そして、デ・ニーロも、自分を追っているアル・パチーノを好敵手として知恵を絞るのです。
さて、家族や恋人などは持たないようにするという主義のデ・ニーロは、ふとしたことで女性と知り合います。
たまらなく寂しい二人同士です。
デ・ニーロは、次に計画している銀行強盗が終わったら、彼女と高跳びをしようと計画します。
もう一人では生きていけないような気がするのです。
さて。冒頭彼らが強奪した高額証券の持ち主のヤクザの親分や、誰かれなく殺してしまうので、仲間を外されたウィングローなど、変な奴らが絡んできて、デ・ニーロの銀行襲撃は狂いが生じてきます。
賭け事狂いのヴァル・キルマーは、女房に愛想を尽かされそうです。
家族と仲良くしているトム・サイズモアは、警察に正体がバレてしまっています。
刑務所でデ・ニーロと一緒だった黒人の男は、出所して食堂に勤めますが、前科者の悲しさを思い切り味わいます。彼女に励まされて、一生懸命我慢して働いているのですが、自分への差別に爆発しそうになります。そこにデ・ニーロの誘いが来ます。
そして、刑事のアル・パチーノも、三人目の奥さんに愛想を尽かされます。しかし、奥さんの連れ子のナタリー・ポートマンは、もうお母さんの旦那が変わるのは嫌なのです。
登場人物たちの寂しく悲しい状況と、頭のいい犯罪者とベテラン刑事の勝負。
さあ、結末に向かって、3時間近くの映画が突っ走るのです。
とても面白い映画でした。家内はもう一回観るのだと言っています。