「ボダ子」の「ボダ」は、 Borderline personality disorder、ボーダーライン パーソナリティ ディスオーダーのしょっぱなの「ボダ」。
境界性人格障害(BPD)の娘のことです。
Wikipediaによりますと
BPDとは、境界型パーソナリティ障害、情緒不安定パーソナリティ障害(じょうちょふあんてい-、Emotionally unstable personality disorder)とも呼ばれ、不安定な自己 - 他者のイメージ、感情・思考の制御不全、衝動的な自己破壊行為などを特徴とする障害である。一般では英名からボーダーライン、ボーダーと呼称されることもある。
あ、Wikipediaには、いつもお世話になっております。
ありがとうございます。
症状の機軸となるものは不安定な思考や感情、行動およびそれに伴うコミュニケーションの障害である。
具体的には、衝動的行動、二極思考、対人関係の障害、慢性的な空虚感、自己同一性障害、薬物やアルコール依存、自傷行為や自殺企図などの自己破壊行動が挙げられる。また激しい怒り、空しさや寂しさ、見捨てられ感や自己否定感など、感情がめまぐるしく変化し、なおかつ混在する感情の調節が困難であり、不安や葛藤を自身の内で処理することを苦手とする。
衝動的行為としては、性的放縦、ギャンブルや買い物での多額の浪費、より顕著な行為としてはアルコールや薬物の乱用がある。さらに自己破壊的な性質を帯びたものとして、過食嘔吐や不食などの摂食障害がある。自己破壊的行為で最も重いものは自殺であるが、そのほかにもリストカットなどの自傷行為、自殺企図(薬物の過量服薬等)により実際に死に至ることもある。
自己同一性に混乱のあるBPD患者は、常時不安を抱えて生きている。神経症の患者の不安感は、症状に関わることだけに限局しているが、限局化する能力の乏しいBPDの場合、いついかなる時も不安感にさらされることになる。この常につきまとう不安感は、他人からみたら一見とるに足らない理由でパニックを惹起することとなる。
主人公の一人娘が、このBPDを抱えています。ボダ子なんです。
Podcastになっているラジオ番組で、赤松利市氏の半生を知ったのですが、この「ボダ子」は小説ですからフィクションではありますが、聞いた著者の半生とほぼ重なります。
たぶんそうなんだろうなと思ってましたので、ぼくはこの作品を読むことを避けてきました。
正直、途中で読むのやめようかなと思いました。
<半分で読むのをやめた「ボダ子」>というブログを書こうかと思ったのです。
話で聞く分にはとても興味深い赤松利市氏の経歴なんですけども、それを小説で読まされるのは、どうも。
しかし、話は、すでに聞いていたという理由ではなくて、後半予想通りの展開で、いつの間にか最後まで読んでしまいました。
娘を追いかけて乗りこむ長距離バスのあたりは、不思議な爽快感までありました。
変なピカレスク。
ドロドロで欲深く、罪深い、恥ずかしくて、救いのない話です。
これ、最後まで読ませる赤松利市ってのは、赤松利市なんだなあ。