70代の真実

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「パードレはもういない」パードレ3部作読み終わり

ネタバレはしない

サンドローネ・ダツィエーリの「パードレ」3部作のうちの2作品、「パードレはそこにいる」と「死の天使ギルティネ」を紹介したときに、ネタバレが無い様にしてきたつもりです。

この3部作は、3つの作品というよりも、一つの長い作品を3つに分けただけだと思います。

子供の頃の13年間を<パードレ>と呼ばれる男に誘拐され監禁されて過ごし、現在失踪人捜査のコンサルタントをしているダンテ・トッレという男の失われれた過去を探し求め、その奥に潜む悪と戦うという目的が、この三部作を貫いて存在します。ミステリー・サスペンスです。

そして、どんな状況にあっても自分の信念を貫き通し、周りにどれだけ死人の山が築かれようとも一直線の暴走が止まらない、感情によって色合いが変わる緑の瞳の美人である機動隊副隊長あるいは元機動隊副隊長のコロンバ・カセッリによるノンストップアクションサスペンスなのです。

翻訳者のあとがきに

ダンテは人間の知性、コロンバは感性で、その相互作用によって生まれるのが理性ではないだろうか。

勝ち目はないと分かっていながらも、二人は戦い続ける。戦うことが、すなわち生きることだから。

と書かれています。

何言ってるの?という感じの文章ですが、確かにこの3部作は、そんな感じなのです。

 

正直、第2作、第3作を語る上で、その前の作品のネタバラシをしないと内容を説明できないという困難がありますが、なんとかネタバレなしで以下を書いていきます。

 

イタリアの小説です

 

「死の天使ギルティネ」の紹介を書いた時に、終わりの部分にあまり触れないでおきました。

でも、まあこれなら大丈夫だろうと思うことを書きますと、追っている女殺し屋ギルティネに関してはなんとか決着がついたのですが、思いがけない敵が出現し、コロンバは腹を裂かれ、ダンテは再び誘拐されてしまいました。

コロンバは、なんとか命を取り止めましたが、それから15ヶ月後から、この物語は始まります。

 

35歳になったコロンバは、前回の事件の後に警察を辞職しています。

昔子供の頃暮らしたことのある父親の持ち物の家に一人で暮らしています。

マルケ州のシュビリーニ山脈とコーネロ山の切り立った岩壁の間の小さな村々の一つ、メッサノッテの集落です。物語の初めは吹雪です。

イタリアの小説なので、地名が全く完全にわかりません。

いつもお世話になっているグーグルマップで探してみると、長靴のふくらはぎの辺りです。雪が深そうなので、もっと北の方かなと思ってしまってました。

 

 

ちょっと紹介

コロンバは、高さ十メートルほどの崖の上に建つ灰色の石造りのみすぼらしい田舎屋に住んでいます。隣の家までだいぶ距離があります。

コロンバは痩せたみたいです。

でも、なんとかダンテの行方を探したいという執念は消えていません。

 

雪の日です。吹雪いてます。

コロンバは、誰かがまき小屋の中にいることに気がつきます。

出て来いと声をかけると、筋肉と脂肪の塊のような巨体に麦わらみたいな金髪の若い男が出てきました。よれよれのジャージの上下。血がついています。

手荒く扱いそうになりましたが、彼の手首に「私の名はトミー、自閉症です。話したり触られたりするのが好きではありません」と書かれたプラスティックのバンドを発見しました。そして連絡先も書いてあります。

コロンバはトミーを連れて彼の家に行きます。

家の周りには地元警察がいました。

トミーの両親はハンマーで殴り殺されているのを発見されたのです。

 

という導入部です。

コロンバはトミーを守りながら、彼の両親の惨殺は、彼女とダンテが戦っている相手が行ったものだと考え始めます。

トミーの反応が、ダンテを思い出させるところがあり、トミーも子供の頃パードレに囚われていたのではないかと思われるのです。

 

ちょっとだけ白状しますと、上巻の途中がだいぶ過ぎた頃、ダンテはコロンバによって発見されます。

 

パードレは「パードレはそこにいる」で正体を暴かれ、死にました。

しかし、パードレはただの個人的な犯罪者ではなく、国家レベルの恐ろしい実験につながっており、その組織のボスも「死の天使ギルティネ」で死ぬのですが、最後の敵との対決が、この「パードレはもういない」で展開されるのです。

コロンバによって救出されたダンテは、医療手当によって生命をとりとめ、次第に回復し、コロンバと共に最後の敵と闘います。

 

思いもかけない敵が最後に姿を現します。

さあ、不意打ちをくらったコロンバとダンテは、この狡猾で残酷な敵に勝てるのでしょうか。

 

 

楽しめますよ

まあ、ぼくのしょうもない記事読んでも仕方ありませんから、この3部作順に読んでください。