武士の献立。
シリーズなのか
なんか聞いたようなタイトルの映画がありましたね。
両方とも加賀藩を舞台にした映画です。
「武士の家計簿」が2010年、これでもう一丁「武士の献立」が2013年。
最初から2作作るつもりだったのか、あるいは前のが良かったからもう一丁なのか。
配給は両方とも松竹。脚本も同じ柏田道夫。
前作は「そろばん侍」で、今回は「包丁侍」。
両方とも、実在の人物たちです。実話?ぽい。
今回は包丁侍
主役は、加賀藩6代目藩主 前田吉徳の側室お貞の方の女中 春。
浅草の料理屋で生まれたせいか、料理がすごく得意です。
で、この春の料理センスに目をつけたのが、藩の料理番、包丁侍の舟木伝内。
自分の息子の嫁になってくれと頼みます。
息子の安信は、包丁侍の家の跡取りながら、料理はダメ。春に嫁に来てもらい息子を鍛え直してもらいたいということです。
春は、舟木家の嫁となります。
実際の加賀騒動に翻弄されながら、起伏のあるストーリー
6代藩主吉徳は、改革派の大槻伝蔵という家臣を重用します。
この藩改革で、昔からの重臣たちは隅に追いやられ、面白くありません。
しかし藩主吉徳は、心臓発作で急死してしまいます。大槻伝蔵は後ろ盾を失います。
さあ古くからの重臣は息を吹き返します。この中心人物が筆頭家老の家柄の前田土佐守です。
大槻伝蔵は、藩主を毒殺に加担したとして島流。やがて自害。
大槻伝蔵と近しいお貞の方は藩主毒殺のかどで捕らえられてしまいます。こちらも後に自害。
さらに大槻伝蔵の改革派に入っていた侍たちも処分されてしまうのです。
舟木安信の親友もお家断絶。
安信も改革派の集会に参加してましたが、なんとか無事におさまります。
しかし、心は・・・
今回、ちょっと斬り合いがあります。
春は、夫の安信に料理の特訓をして一人前の包丁侍に育てますが、安信は家老の土佐の守を討とうとする旧改革派の再結成に参加しようと決意します。
春は夫の決意を知り・・・
舟木親子の饗応料理担当
饗応料理とは、外様の加賀藩が、徳川や幕府の重臣たちを招いて出す特別超豪華料理なのです。
しばらく、その実施が無かったのですが、今回、新しい藩主誕生と加賀騒動の決着の祝いで、盛大に行われることとなります。
その責任者に舟木伝内、その息子安信が責任者補佐となります。
包丁侍としてのクライマックスですね。
面白いです
春に上戸彩、夫の舟木安信に高良健吾、父舟木伝内に西田敏行、前田土佐守は加賀丈史が演じます。
だいたい料理ってのは、それ自体見るの面白いでしょ。
安信への特訓、加賀騒動、親子での饗応料理への挑戦。夫婦の愛情。
ストーリーのポイントがたくさんあります。なかなか達者なストーリー展開です。
前作の「武士の家計簿」は地味に面白いのですが、この「武士の献立」はしっかり娯楽作品です。
自分は次男なので、家は兄貴が継ぐ。
剣の稽古に励み、道場の師範の娘に恋をして、御前試合に優勝すれば、その家に養子に入る。
剣の道こそ我が道。
そう思った矢先に、兄の急死。
次男が家を継がねばならぬ。
安信は、剣を包丁に持ち替えたのです。
恋した道場の娘は、幼い頃からの親友と結婚しました。
どうしても料理の道に身が入らない。
そういう所へ、父親が料理の腕に惚れ込んだ4つも年上の嫁が江戸から来たのです。
料理に身が入らない安信に、その女房が、料理対決をして負けたら自分の弟子になれと言います。
負けました。
元々血筋か、文句を言いながらも、仕込まれると安信はメキメキ腕を上げていきます。
天涯孤独、幼い時に両親は家事で亡くなり、お貞の方のところに女中に上がった春は、安信の料理の腕が上がると、自分の役目は終わったとおもいます。
しかし、安信は健気に自分に尽くす春を愛するようになっていました。
なんか良いですよ。