今日は、武士の家計簿です。
加賀藩の御算用係(会計担当)の家、猪山家の幕末から明治維新にかけた話です。
そろばん侍一家の物語
堺雅人演じる猪山直之を中心に言いますと、
父
信之(中村雅俊)は猪山家7代目(養子)で、加賀藩の御算用役。この7代目で初めて猪山家は知行地を与えられました。自慢してます。
息子
成之 やはり藩の御算用係となりますが、明治維新直前の加賀藩の兵站事務にも才能を発揮し、それを見込まれて、明治維新政府の兵部省会計少佑海軍掛を経て大日本帝国海軍の主計官となり、海軍主計大監(大佐相当官)まで昇進しました。
この猪山家3代にわたる算盤侍の物語です。
「武士の魂は刀と言われるが、我が家では、この算盤」ということです。
主人公は直之(堺雅人)
だいたい御算用係というのは下級武士です。
猪山家は父 信之(7代目)が、藩主の婚礼の準備役を命ぜられたことがあり、江戸屋敷の門の外側のみ赤く塗る節約手法を見出したことの功績により、猪山家当主で初めて知行地を得た家です。
直之はそろばんバカと呼ばれるような真面目一辺倒な男です。
父と同じ御算用係につき、不正の発見の功績で藩主の側用人に取り立てられます。
しかし、猪山家に借金がたまっている事に気付き、家の財政の立て直しをします。
そして、息子を幼い時から仕込み・・・・・・
と言った塩梅の、時代劇だけど斬り合いや武士のなんとかとかが出てくるような話ではありません。
そろばん一筋。
一家の地味な物語です。
面白いですよ。
おばば様に草笛光子、母親に松坂慶子、妻は仲間由紀恵、女優陣も充実してます。
何が面白いの
2、3代にわたる一家の物語です。
不正の発見なんてこともありますが、それは帳簿上の作業であり、隠蔽の企みも、不正が公になったことも、淡々と描かれており、決してそれ自体にドラマ性はありません。
嫁をもらい
家の財政を立て直し、
幼い息子を教育し(もちろん算盤と筆)
親を看取り
息子との対立、そして和解
ごく当たり前の、質素倹約を貫いた真面目な勤め人の人生が描かれています。
妻の実家の父を西村雅彦が演じてます。中村雅俊、松坂慶子の両親ですから、全体にほっこりした描き方で、素直に緩やかな気持ちで楽しめます。
なんか最近、時代劇のこういう系統の話が面白いなと感じるようになりました。
また似たようなのを探して楽しもうと思ってます。