70代の真実

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「超高速!参勤交代 リターンズ」この映画何が面白いのかについて述べさせていただきましょう

まずは、前提の説明から

前回書きました記事は、映画見終わってすぐにそそくさと書いてさっさとアップしたもので、基本的に深キョンのことが書きたかっただけのものでした。

それでも、この映画についてのあらましは書きましたが、本日その続編であるリターンズを観ましたので、

超高速!参勤交代 リターンズ

超高速!参勤交代 リターンズ

  • 発売日: 2017/02/08
  • メディア: Prime Video
 

両方にまたがるちゃんとした説明を書かせていただきます。

 

時代

江戸、八代将軍・徳川吉宗の時代の享保二十年ころ。

 

湯長谷藩(ゆながやはん)

主人公たちの湯長谷藩(ゆながやはん)は、陸奥国南部(磐城国)磐前郡の湯長谷陣屋(現在の福島県いわき市常磐下湯長谷町家中跡)に藩庁を置いた藩です。

調べたら実在していました。

 

1万5千石のとても小さな藩です

この小ささ分かりますか?

福井県で言えば、越前の中に、福井藩の一部を切り取ってできた松岡藩(後で福井藩に合併)でも4万石、小さな丸岡町にあった丸岡藩でも5万石、大野藩で4万石、勝山藩で2万2千石、鯖江藩で5万石。本体の福井藩は時代によって違うのですが、50万石から30万石ありました。

ですから1万5千石って、ものすごく小さいのです。

映画の中でも家来の数とか領民の数なんか少ししか出てきませんし、どことなく小さなエリア感がありましたが、割合リアルに近いのかも。

当然、貧乏藩。

しかも、この映画の話の直前に飢饉が起こり、藩財政は逼迫しておりました。

 

参勤交代

2年に一度大名が自分の領地を離れて江戸に詰めます。

「参勤交代」とは、厳密に言えば、二つの行動のことです。
行きを「参勤」、帰りを「交代」と表現するのです。つまり、藩に帰りつくまでが参勤交代なのです。

大名としては、恥ずかしく無い大名行列を仕立てて旅をしなければなりません。

行列の家来の人件費、宿泊・食事代等、ものすごく金がかかります。元々、大名たちに金を使わせて、反乱を起こせないように疲れさせるための制度が参勤交代なのです。

ちゃんと参勤交代しないと、藩はお取り潰し、藩主は切腹になるのです。

湯長谷藩としては、藩から江戸までの片道に通常10日かかります。

 

主人公たち

藩主・内藤政醇(ないとう まさあつ)

この貧乏な湯長谷藩の殿様です。佐々木蔵之介が演じています。

ものすごく良い殿様です。まず領民ファースト。自分は我慢してでも領民を大事にします。

当然、皆からは懐かれています。

で、剣の達人。

 
家老・相馬兼嗣(そうま かねつぐ)

知恵者です。金のことから難しいことの全てが、彼にぶつけられます。

「なんとかせい、相馬」

「相馬に任せた」

「知恵を出せ、相馬」

西村雅彦が演じています。

たとえ不可能に思われる困難も、殿様のためなら素晴らしい知恵を出します。殿様が大好きです。

 

湯長谷藩の家来たち

小さな田舎の藩ですが、みんな武道の稽古に熱心で、腕が立ちます。

映画では基本6人が殿様について活躍します。

やはり殿様が剣の達人なので、その影響なのでしょうか。

 

 

悪い老中・松平信祝(のぶとき)

陣内孝則が演じているのですが、すごく悪くて卑劣です。

筆頭老中の松平輝貞の甥にあたります。なお、このおじさんは良い人です。

 

こいつ、すごい陰謀を企てて、そのために湯長谷藩をやっつけようとするのです。

忍者をたくさん雇ってひどいことをします。

 

 

前の映画の話の内容

悪い老中が、自分の陰謀のために湯長谷藩を潰そうとします。

で、湯長谷藩の殿様と家来が、この陰謀に立ち向かっていくのです。

 

藩を潰すための方法として、通常10日かかる江戸までの旅程を、5日以内に江戸に来いと言われます。

期限に遅れれば、藩はお取り潰しなります。

だから「超高速!」って訳です。

 

 

今回の話の内容(リターンズ)

前回の映画では、もちろん貧乏な小藩が火事場の馬鹿力で、ついに悪い老中に勝つのです。

時刻に間に合って、参勤交代成功。

そして、悪い老中の卑劣な企みを指摘し、彼を失脚させます。

 

 

で、今回。

前回の話から一ヶ月後。

将軍・徳川吉宗が日光社参に出かけました。


「日光社参」とは、江戸幕府を開いた徳川家康公を神として祀った日光東照宮に参拝するのです。この行事を八代将軍の吉宗が実に六十五年ぶりに復活させたのでした。
この日光社参を契機に恩赦が出ます。

前回の失敗で蟄居中の悪い老中にも、お許しが出たのです。


悪い老中は湯長谷藩と藩主内藤政酵に逆恨みを抱いております。
彼は手下に命じて、湯長谷藩一揆を起こさせます。百姓に扮した武士たちが暴れ、田畑は荒らされ、百姓たちは困窮します。

 

領内で一揆が起これば、領主はその責任を取らされ、藩はお取り潰しとなります。

この時、湯長谷藩一行は、江戸から領地へ帰る「交代」の途中でした。

そして、実は前回の急な「参勤」のおかげで、帰りの費用は用意して無かったのです。そして、今回、この領地での一気についての調査が江戸を発っていたのです。

ということで、今回もまた「超高速!」。

幕府の調査が来る前に、領内に帰らなければなりません。

全員で走ります。

走って領地に戻るのです。

 

悪い老中は、尾張柳生を使って襲撃してきます。

彼は、闇の仕事をしてきた尾張柳生に湯長谷藩を与えると約束します。

 

殿様を中心にした藩士が、命からがら故郷に帰った時、すでに公儀の裁定は下っており、城は尾張柳生のものとなっていて、城内の藩士や奥方たちは囚われの身となってていたのです。

 

さあ、殿様たちは、どのようにして領地を取り返すのか。

そして、前回の最後に、殿様は旅籠の飯盛女の深キョンを側室としたのでした。この2人の愛情は、このピンチの中でも育まれていくのです。

 

 

なんで面白いの

 

昔の東宝映画のにおい

この映画ね、あの殿様と家来たち、そして領内の百姓たちとの関係というかつながりがとても良いのです。

みんな殿様が好きなの。

貧乏だけど、領内でとれた大根で作ったタクアンが大好きな殿様をみんなが好きなのです。

 

この映画ね、昔の東宝映画を思い出させるんです。

サラリーマンものや、なんか明るい時代劇。

 

少ない人数だけど硬い結束、チームワーク。

フォー ザ チーム

フォー 殿様

領民の百姓までもが殿様を護ろうとする

殿様は「民のために」って、「仲間のために」って。

 

 

あの家老が良いのね

そんでね「相馬、なんとかせい」。

あの家老、徹底的に頼りにされます。

困ったら「相馬、考えてくれ」。

あれ、良いなあ。

 

家老も、無理な不可能なこと一生懸命考えて解決策を出してきます。

あれだけ頼りにされたら、とにかく無理でもなんとか考えるのです。だって殿様が大好きだから。

頼りにされるって楽しいんです。無理なことでもなんとかしようってなっちゃう。

この家老の、こういうキャラクターと状況が、ぼくは大好き。

 

 

雲隠段蔵って忍者なんです

悪い老中の忍者攻撃。

でも、湯長谷藩にも雲隠段蔵(くもがくれ だんぞう)という戸隠流の忍者が味方します。伊原剛志が演じてます。

金目当てだけの雲隠段蔵ですが、その活躍を素直に殿様が認めます。我らの仲間だと。

殿様の人柄に惹かれてしまう段蔵。

こういうのも良いんですよ。

 

 

最後の戦い

数千人の相手の軍勢。

殿様は言います「おら一人でいぐ。おめらは逃げろ」

当然家来達は、そして雲隠段蔵もいっしょに戦うと言います。

そして、7人対数千人の合戦に。

 

これも良いんだなあ。

 

ずっこけ、ダメダメ、お笑い、そしてジーンと来て、大活劇。

この映画大好き。