子供の頃のように

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落語 鰍沢(かじかざわ) 6代目三遊亭圓生と5代目古今亭志ん生、名人二人聞き比べ YouTube

身延山というのは日蓮上人が開いた日蓮宗の本山のあるところ、山梨県南巨摩郡にある山です。

さすがに日蓮宗の本山ですから、昔から参拝に訪れる信者さんが多いらしいです。

鰍沢は、この身延山の側です。

 

身延にお詣りする順番は決まっており、青柳の昌福寺へお詣りをして、それから小室山で毒消しの護符を受け、法論石へお詣りをして、いったん鰍沢へ出て、ご本山へお詣りをするという順路だということです。

 

 

話のあらまし

さて、江戸の商人が身延山詣りに行きました。

雪の深い頃です。

上記の順序でお参りの途中、鰍沢へ向かっておりました。

 

ところが道を間違えてしまいます。

この深い雪の中、野宿したら凍え死ぬかもしれません。

 

困っていると、チラッと明かりが。

山の中の荒屋を見つけました。

どこでもいいから、今晩泊めてもらえないかと声を掛けると、中に入れと言われます。

家には女性が一人。

よく見るといい女。

焚き火に当たらしてもたいながら話をしていると、どこかで見覚えがあります。もしかすると吉原にいませんでしたか?

女は、旅人が一度お座敷で世話になったことのある花魁でした。

 

花魁は、男と心中しようとしてしくじり、二人でこの山の中へ逃げてきて、今は男は猟師になり、熊の膏薬を作って売り歩いて生計を立てているらしい。

旦那は今、膏薬を売りに出て留守。

旅人は、あのお座敷で世話になり、その後もう一回行こうと思いながら時間が経ち、再び吉原に行った時は心中の後だったので、今夜泊めてもらうこともあり、せめて手土産替わりにと、財布から2両出して渡します。

 

女は、「そんな悪いわね」と言いながら、何ももてなせないので、せめて酒でもと、地酒の臭みを消すために卵酒にして勧めます。

あまり飲めないのですが、旅人は勧められるままに卵酒を飲んで、酔いがまわり、三畳の部屋をあてがわれて寝てしまいます。

 

女は帰ってくる亭主の寝酒を旅人に飲ませてしまったので酒を買いに出ました。

そこへ亭主が帰ってきて、卵酒の残りを見つけて飲んでしまいます。

女が帰ってきますが、亭主は体が痺れて動けません。

 

旅人の財布の中がだいぶあるのを見てとって、女は卵酒に毒を混ぜたのです。

女が亭主に、「酒の中に毒を入れたのに、あんたそれを飲んだのね」と騒ぐのを聞き、旅人は目が覚めて逃げようとしますが体が動きません。

それでも壁に穴が開いていたの、そこから外に転げでました。

あ、そうだ。

小室山で毒消しの護符をもらったんだ。

それを出して、飲み込んだら、御利益のおかげで体の自由が効き、荷物を持って雪の中を逃げます。

 

女は、倒れている亭主の鉄砲を掴んで、旅人の後を追いかけるのです。

 

山の中、雪崩のおかげで雪イカダが流れ出し、それに乗った旅人は、斜面を滑り落ちて川の流れに落ちて行きます。

岩にイカダがあたり、バラバラになり、旅人は一本だけになった材木にしがみついて流れて行きます。

女は下流に陣取り、鉄砲の狙いを定めて引き金を引きます。

 

弾は、御題目(南妙法蓮華経)を唱え続ける旅人のマゲをかすめて後ろの岩に当たります。

助かりました。

 

ああ、この大難を逃れたのも御利益。お材木(御題目)で助かった。

 

 

アクション映画みたい

ぼく、この話好きなんです。

 

女の本性に気が付いて旅人が、雪の中足を取られ転びながら逃げて、それを鉄砲持った女が追いかける。

おり良く、起こった雪崩。

イカダに乗って斜面を滑り落ちて、イカダは岩にぶち当たりバラバラに。

一本の材木にしがみつ、流れていく旅人。

女が撃った鉄砲の弾が、カチーンと岩に当たる。

 

まるで、ハリウッドのアクション映画。

面白いです。

 

身延山詣りですから、仏の御加護、南妙法蓮華経と御題目を何度も唱え続ける、いかにも御利益のおかげというのも面白いし、雪の中で一軒家を見つけて上がらせてもらい、そこのおかみさんが昔吉原にいたことを旅人が思い出していくくだりも面白いです。

 

落語はオチを知っていても、話をよく知っていても、何回聞いても、また面白い。

 

圓生の話が良いです。

さすが名人。

この人、きちんと話を聞かせるタイプなんです。

間がね、本当に良いんですよ。素晴らしい。

 

でもって、志ん生、これまた大名人。

去年、NHK大河ドラマ「いだてん」で、ビートたけし森山未来が二人がかりで演じてましたね。

聴き比べるって申し訳ありませんが、続けて聴きました。

贅沢ですね。

聴くと、それぞれ少しずつ話が違います。

花魁は10歳ほど年齢に差があったり。

 

これは志ん生が、自分の師匠だと生涯そう語った4代目橘家圓喬、多分ドラマで松尾スズキが演じた落語家がこの人だと思いますけども、その圓喬が得意にしてた話だそうです。

なんか味があるんです、志ん生

あの語り口で、ちゃんと服装やら細かく語っていくのです。

旅人と元花魁との会話なんか、すごく良いの。

 

 

どっちが好きかって聞かれても困っちゃう。

全く個性が違うんですよ。

 

そう言えば、この二人、戦争中に一緒に中国に慰問に行ったんです。仲が良かったみたいですね。

圓生志ん生を置いて先に日本に帰っちゃったってんで、志ん生が怒ってたとか、なんて話もありましたね。

 

 

よろしければ、YouTubeで検索して聴いてみて下さい。