この前、家内とスーパーをうろうろしていて、よく肥えた大きなイワシがあったのです。
うまそ。
家内が「うああ、こんなに大きい」なんて、ぼくに言いました。
そしたら横にいた大柄なおっさんが「大きいのう、こんだけ大きいと食べるの迷うな」とにっこり笑って言いました。
まあ、まったく知らない人なので、ぼくらは適当に返事して、その場を離れました。
店の中を歩いていたら、さっきのおっさんがよそのおばちゃんと
親しげに話しているのを見てしまいました。
あれは知り合いではなく、ぼくらと同じようにスーパーの中で隣り合わせた人だと思います。
さて、今日も、家内と二人でスーパーの中を歩いてました。
このスーパー、年寄りの夫婦が一緒に歩いているのが多いのです。
家内が、ピザまん指差して、「こんなのあるんや」と言います。
通常のピザまん、あるいは肉饅の大きさの4分の1程度の小さなピザまんが10個ほど袋に入ってます。
基本的に家内はピザまんを知らなかったみたいです。
色はオレンジ色。
すると、隣りにいたおばちゃんが「ほんとやね、私ミカンかと思った」とぼくらに言います。
「ほら、ここんとこが盛り上がっていて、わたしミカンのヘタやと思った」
どう反応すればいいのか、ぼくらはにっこり笑って、その場を離れました。
ぼくらがスーパーに行くのは、年寄りの多い時間帯です。
夫婦でうろうろしているのも多いのですが、おじいさんが一人でカートを押しながら買い物してたり、おばあさんが一人のもいます。
一人で住んでいる人たちもいるんです。
もしかすると、死別れ、あるいは過去に行き別れ。
一人でいても、誰かと話がしたいのです。
人間は孤独です。
ぼくは幸せだと思います。