70代の真実

70代年金生活者の生活と思ってること、その他思がけないことも

大昔に変なバーに行ったのを思い出しました

こういうの夜にならないと思い出さない。

 

昔々、そうあれは完全に40年以上前のこと。

夜中、どう言う理由か覚えがないけど、ぼくは東京某所を歩いてました。

盛り場という訳ではないけど、そこそこ明るい路地なんかありました。

ぼくは、大きな通りを歩いていて、ちょいと左側に出てくる路地を見てみると、建物の二階に気になる看板。

「五年前」って書いてある。

どう考えても、それはスナックあるいはバーの看板ですが、変な名前でしょ。

あまり高い勘定にはならないだろう雰囲気が、看板からにじみ出てました。

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行ってみました。

どんなのだったのか思い出せませんが、しけた階段を上っていったのです。

ドアを開けたらカウンターがあり、中にメガネ掛けたあまり綺麗な感じがしない男が立ってました。

客はいません。

男は、ジーパンにチェックのシャツ。まあ、そんな感じ。

細くはない体つき。

イッテQという番組に出ているロッチの中岡のイメージだったような気がするけど、それよりはマシだったような気がします。

だって、彼の作った変な料理を抵抗なく食べましたから。

 

「良いですか?」

ドアを開けて、店内を見回してから、ぼくは聞きました。

「あ、今ママいないですが、どうぞ」

そう言われて、ママがいないということは何を意味するのか分からなかったけど、とりあえずぼくはカウンターの椅子に座ったのです。

 

「なんでもどうぞ、ぼく留守番している客ですが、お勘定いいですよ」

「え?客なの」

「ここのママよくいなくなるんで、その間客が店番するんです」

ということで、ぼくはウィスキーもらって飲みました。

食べ物は、その店番している客の男が、何か作りたいと言うので、受け入れました。

よく覚えてませんが、卵を使った何かで、味はそんなにヒドくは無かったように思います。

 

その男と話をしながら飲んでいると、電話が掛かってきました。

男は客のくせに、当たり前のように電話に出て話してます。

ママからの電話でした。

今、店にだれかいるのかと聞かれて、自分の他にもう1人と答えてます。

テキパキした指示が出ているようです。

男は、電話を切って、「マージャンしますか?」と聞くので、「するよ」と答えました。

「店を閉めて、行きましょう」

「え?」

「ママの男がアパートにきて、マージャンしたいと言ってるらしいです」

お勘定無し。

男はそそくさと店を閉めて、表通りでタクシーを拾い、ぼくを座席に押し込みました。

 

こういうことはよくあるのでしょう。

しかるべき所でタクシーを降り、マンションと呼ぶ人もいるだろう大きなアパートに入って、エレベーターで上がり、外通路に面した入り口の前に立ちました。

「あ、暗い」

ぼくらが立っている入り口の部屋の窓は真っ暗。

「ちょっと待ちましょう。男と一緒だから・・・」

変な気を回していると、パッと灯りがついたので、呼び鈴を鳴らしました。

 

 

ママは、細身で、自分で仕事してる中年の独身者というのがみて取れる女性でした。あまり水商売に見えないのが不思議でした。

ママの男は、背が高くてがっしりしてるけど、女のアパートで世話してもらっている状態が似合いそうな感じです。

 

名前を名乗るだけで、自己紹介もしないまま、ぼくらはマージャンを始め、明るくなるまで打ちました。

 

 

その後、もう1回その店に行きました。

ママはちゃんとカウンターの中にいました。

でも、次に行った時には店が閉まっていました。

留守番の客がいなかったんでしょう。

それから、その店には行っていません。