「カンガルー日和」という講談社文庫の短編集に入っていた作品だそうです。
この短編集に入っていた表題の短編をドイツの出版社が絵本として出版しました。
絵はドイツ人のカット・メンシックという女性画家が描きました。
で、その日本語版がこの本です。
分厚い紙でできた薄い本だと、この前紹介しましたが、全71ページ。おおよそ半分は絵です。
だから、すぐに読んでしまいます。
ダークな大人向きの童話。
村上春樹の作品は、基本的に大人向けの童話みたいな気がするので、改めてそういう必要も無いかなと思いますが。
図書館に本を返しに来て、探している本があると言うと、地下の部屋に行かされる。
その部屋には老人がいて、主人公はふと思いついたオスマン・トルコ帝国の収税政策についての本を探していると言ってしまう。
老人は、その本を探しに行き3冊持ってくる。
しかしその3冊の本は貸し出し禁止。
ここで読んで行けと、地下に降りる複雑な迷路を案内し小さな部屋に連れて行く。
そこには羊男が待っていて……
そんな感じの変な話です。
挿絵というか、イラストのページが、基本的に文章のページと交代交代に入っています。
同じ企画、同じ画家と組んで、「ねむり」と「パン屋を襲う」の2冊があることが、この本を読むとわかります。
なんて言えばいいのか、とにかく紹介したくなりました。