家内がお抹茶を買いに行くと言います。
そんならね、GUに行ってパンツ買ってから、お菓子を買って、茶屋に行こうということに。
お抹茶買う店は決まっているのですが、お菓子をどこで買いましょうか。
贔屓にしている饅頭のお店でという提案に、家内の同意。
あの店で生菓子を買いましょう。
ということで、お菓子やさんに着くと、家内はぼくに買いに行ってくれと言います。
店に入ると、おばあちゃんがいました。
きのう饅頭を買いに来たばかり。
おばあちゃんの横に嫁さんもいますから、なんとなく安心感が湧いてきます。
ショーケースを覗くのですが、生菓子が見えません。
「生菓子は?」と聞くと、「みんな冷凍してあります」という返事。
作ったら瞬間冷凍すると言います。
今まで、生菓子を見るときはショーケースに入っていたじゃないの。
2、3時間外に出していると解凍されますからと。
奥から背が高くて白髪がだいぶ目立つ息子が出てきました。
おばあちゃんを見守っている嫁さんに何かささやき、二人で何か話をしていましたが、一緒に外に出て行ってしまいました。
あれ、おい、おばあちゃん1人置いていくのかよ!!
一気に不安が胸に広がり出します。
おばあちゃんは、かまわず、ゆっくりしたペースで、上生菓子という紙が貼ってある小さなお盆を見せてくれます。
サンプル。と言っても、これらは本物。
目につくのは、「花菖蒲」と書かれた紫が綺麗なやつ。
サンプルが無くて名前の紙だけのものが二つありました。
「かきつばた」って、どんなの?
おばあちゃんが、冷凍ケースから紙箱を出して見せてくれました。
まあ、良さそうだけども、別のが良いかな。
じゃあ「花菖蒲」と「紅薔薇」を一つずつ。
「一つずつで二つやね?」
「そう」
それと白あんと緑あんの饅頭を一つずつ。
おばあちゃんは小さな紙箱を組み立てて、
「かきつばた」と「紅薔薇」やねと、確認してきます。
「違う、花菖蒲と紅薔薇」
「はいはい、ふたつずつやね」
「違う、一つづつ」
「はいはい」と答えながら、おばあちゃんは箱に入れて、ラップを上に載せます。
「それから、白と緑やね」
おばあちゃんは饅頭を二つとって一緒に入れてくれます。
あれ?白が二つみたいに見えた。
「白と緑ね」
「大丈夫ですよ」
それ以上の追求はせずに、ぼくは勘定の暗算を始めます。
ここ、お菓子安いのです。全部で660円。
千円札出して、お釣りは340円。
包み紙はいらないよと言うと、おばあちゃんは箱のふたを閉めて、饅頭とともにビニール袋にそっと入れてくれました。
それからレジを打ちだします。
目の前に千円札を出しておきます。
「660円です」
そう、正解です。
おばあちゃんはレジ箱の中から、お釣りをとりだします。
「340円」
正解です。
ありがとうと、おばあちゃんにニッコリ笑いかけて、店を出ました。
車で待っていた家内が、「時間かかったね」と。
息子と嫁さんがおばあちゃん置いて出かけたこと、後はおばあちゃんと二人だけ。
ぼくの言葉は、特別ゆっくりにしてたし。
おばあちゃんの介護してたみたいや。ということで夫婦の意見は一致。
見守り。
駄賃に少しまけてもらっても良さそうだけども。
でも、元々安いから、まけたら赤字になるし。
その分、お菓子が美味しいから良いでしょう。
早い夕飯 食べ終わった頃、生菓子の解凍が終わってました。
抹茶と一緒にいただきましょうか。