嶺北、越前の歴史 室町から戦国時代
一応、室町時代あたりから見ると、福井の守護大名は斯波氏でした。
太平記などを読むと、この斯波ってのは足利の重要な家臣というか協力者だったようで、そのくせ裏切ったり、戻ったりと、この頃の武士のドライな繋がり方の典型みたいな感じです。
福井県に織田町というところ
極めていい加減な上記の地図をどうか許してください。と、先に言い訳をしておきます。
さて、ブルーの手書きで「織田」と書いて矢印で示した所が赤く塗られています。
この場所は、ちょっと前まで「織田町」と呼ばれていた場所です。
今は、その他の町と合併して、越前町という名前に変わっています。
で、この「織田」ですが、連想する人物名がありますでしょうか?
そうです織田信長の織田です。
織田家の出身地のようです。
じつは、越前守護大名である斯波氏には、有力な家臣が三つありました。
甲斐、織田、朝倉です。
この3家は斯波氏も無視できない力があり、「守護代」という立場を与えられました。
特定の地域を守護に代わって納めさせるのです。
斯波氏は、越前の他に尾張その他の守護も務めました。
織田家は斯波氏の尾張の方の守護代になって、福井から尾張の方へ引っ越していきました。
福井の朝倉氏遺跡、一乗谷
はい、地図にはもう一つ赤く塗った所があり、そこにブルーで「一乗谷(朝倉氏)」と書いた文字が、やはりブルーの線で繋げてあります。
この赤く塗ったところの位置が、正確ではありません。ま、だいたいこの辺かなというゆるさを理解してください。
ここは、越前の守護代となった朝倉氏の本拠地です。
戦国大名に、そして信長と義景
さて、それまで越前で守護代という地位だった朝倉氏は、斯波氏がふらふらしているうちに、この辺りの大名となりました。
織田と朝倉は、同じ主人に仕える家来同士、いろいろ張り合ったこともあったのでしょうか、同じような頃に大名となっています。
織田信長と朝倉義景が仲が悪く、戦いが続いたのは、こういう因縁があったのですね。
さて、朝倉氏遺跡
朝倉氏遺跡のある一乗谷は、地図で見てお分かりの通り、行政としては福井市です。
市民の感覚としては、福井市街から東に行き、足羽川を渡った向こう、要するに福井市街の東南に一乗谷はあります。
福井市のホームページから
先だって放送された「ブラタモリ」の福井市編で紹介されていましたが、織田信長に朝倉氏が滅ぼされた後、一乗谷から残った人達が引っ越してきて今の福井市街ができたらしいです。
織田信長に滅ぼされた経緯
滋賀県の琵琶湖の東岸に長浜って街がありますよね。
あの辺りに、勢力を張っていた浅井長政って戦国大名がいました。
浅井長政とお市の方との間に女の子が3人できて、そのうちの一人が茶々、淀君です。
浅井と信長のお互いの利害が一致して、信長は妹を嫁に出すのです。
仲は悪くないです。
浅井と朝倉
しかし、浅井がまだ戦国大名になりきれてなかった頃、主人筋との争いの中で、まあ都合が悪くなったことも何回かあったようです。
その頃に、越前の朝倉氏を頼って、いろいろ助けてもらったみたいです。
そういうよしみで、浅井長政は織田信長と同盟を結びながら、同時に越前朝倉義景とも同盟を結んでいました。
ということで、信長は「朝倉氏との不戦の誓い」というのを浅井長政にしました。
でもね、信長がいよいよ足利義昭を連れて、都へ上って勢力を示した後、信長は徳川家康と組んで、越前朝倉を攻めました。
これで、浅井長政は「約束が違うよ」と言いながら織田・徳川連合軍を背後から襲います。
ということで、いよいよ浅井・朝倉連合軍と織田・徳川連合軍は、交戦を繰り返します
その頃、武田信玄が甲斐国から出てきて、織田・徳川を脅かします。
浅井・朝倉と信玄は連絡を取り合ってました。
しかし、ご存知の通り、徳川も織田も「ああ、もうダメ」という時に武田信玄が病死してしまうのですね。
これで形勢が変わり、浅井も朝倉も一気に滅ぼされてしまいます。
浅井長政に嫁いでいたお市の方は、姫たちと共に木下藤吉郎が救い出しました。
朝倉が滅んだ後の福井
当然織田信長の支配が及び、織田の家来が治めたわけです。
と一言で片付けましたが、実際には一向一揆があり、相当大変だったみたいです。
結局、信長の重臣である柴田勝家が、福井市内の北ノ庄に城を築きます。
上の図の赤で囲ったところが北ノ庄です。割合街の真ん中辺です。
その上に「福井城址」とあるのは、江戸時代の殿様、松平さんの城です。
加賀の前田や富山あたりの佐々は、柴田勝家に協力しますわね。
有力家臣ですから。
しかし、本能寺で織田信長が亡くなり、慌てて中国から引き返してきた秀吉によって明智光秀がやっつけられ、天下は秀吉のものとなります。
秀吉と対抗していた柴田勝家は、秀吉によって滅ぼされます。
そして再び、秀吉はお市の方を救い出すつもりでしたが、お市の方は自害。
姫たちだけは救い出せました。
ちょっと長くなってしまいました。
いんちき歴史解説なので、ちょっと苦しいです。
続きは、また次の機会にということで。
はい、どうも。