一時期、呼ばれた宴会で隣に座った年寄りの昔話を聞くのが面白くて、そっちの方へ話を向けて聞き役になっていたことがありました。
若い頃、戦争に行く前に町内の幼馴染たちと初めて遊郭に行った話を嬉しそうに話すじいさんとか、戦争が終わって田舎に帰り、いろんな仕事を転々とした話とか、みなさんかなり面白い身の上話を持っているのです。
あ、最初に「呼ばれた宴会」と書きましたが、自分らでする宴会では、こういう話ができる人がいないのです。
仕事の縁などで呼ばれた、ちょっとよそ行きの顔で並ぶところで出会う年寄りが、話を持っているんです。
戦争中、中国で捕虜になっていた爺さんの話もなかなかでした。
彼は、国民軍、蒋介石の軍隊の捕虜となっていました。
で、鉄道線路の修理などの強制労働をさせられていると、そこを毛沢東の軍隊が襲うのです。
当時、中国には3つの軍隊がいて戦争をしていました。
蒋介石の軍隊は、一応中国の正式な軍隊、
そこに日本軍で、三つ巴の戦いだったのです。
結果は皆さんご存知の通り、日本軍は敗戦、蒋介石は台湾に逃げ、毛沢東が中華人民共和国を打ち立てました。
さて、話を聞かせてくれている爺さんが、蒋介石の軍隊の見張りのもと労働をしていると、そこを毛沢東のゲリラ部隊が襲い、中国人同士で殺し合いが展開されます。捕虜は物陰に隠れて、目の前の戦いを見ているだけです。
そういうような戦闘をしょっちゅう見ていたそうです。
中国人が中国人を殺す。
毛沢東の軍はゲリラですから、民間人との見分けがつかないというか、民間人がゲリラに化す訳で、従って民間人の村落を蒋介石の軍隊が襲撃して殺すということもあったようだと言います。
ベトナムでも同じようなことがありましたね。
さて、戦争が終わり、毛沢東は勝利したのですが、中国人が中国人を殺した数があんまり多い訳にもいかず、そんなのはみんな日本軍が殺した数に入れて、ちょっと辻褄が合わないので、南京大虐殺なんて事件にしたのかもしれないなんて、その爺さん言ってました。
あ、そんな事を書くつもりではなく、さっきNHKで「ファミリーヒストリー」て番組やってて、伊東四朗さんの両親の事から、伊東四朗さんが生まれて今日にいたるまでの話でした。
こういうの面白いですね。