ダン・ブラウンの書くラングドン教授ものは、ちょっとアカデミックな謎に、魅力的な女性とともに挑んでいくが、狂信者的な殺し屋が迫り、窮地に追い込まれながら最後には謎を解き明かすというパターンが固定しています。
確かに面白いのですが、ストーリー自体が読者を引きつけるのは、2、3作読んでしまうまでです。
読者を引きつけ、最後まで引っ張って行くのは、ストーリーではなくラングドン教授が追って行く謎の内容なのです。
ダン・ブラウンを一気に世界的なベストセラー作家にしたのは、ご存知「ダビンチ・コード」。
レオナルド・ダビンチが残した謎、暗号。なんなんだそれは?
扱っているのは、キリスト教。
爆発力があったですね。
こんなこと書いてても、ぼくは「天使と悪魔」と「ダビンチ・コード」しか読んでいません。
決めつけですね、ぼくの考え。
でもね、こんど「オリジン」を読んでみると、やっぱりそうかと思いました。
パターンは定番のもの。
追う謎は、人間はどこから来て、どこへ行くのかというもの。
宗教的な問いに、科学的な答えが発見され、それを公表すると宗教の終わりがくるというもの。
面白そうなのですが、なんとなく察しもつきそうに思え、特にキリスト教徒では無い我々日本人にとっては、「宗教的な」と言われても、こっちとら仏教なので、それほど衝撃的な問いだという気が起こりません。
挙句に、下巻の半ばを過ぎて行くと、なんだそれって、ちょっと思ってしまいました。
それでも、けっこう楽しめたのは、大したものだと思います。
ということで、60歳代のボタンもひとつ、よろしくどうぞ。