午後3時半を過ぎたマーケットの駐車場です。
ぼくは、家内の買い物を車の中で待っていました。
いかにも、オッサンという言い方がぴったりの男性が、ビニールの袋をぶら下げて店から出てきました。
そのオッサンは、停めてあるワゴン車に乗り込んで、エンジンを掛け、バックで駐車位置から出ようとしました。
ちょうどそのタイミングで、左の方から杖をついた爺さんがゆっくり歩いてきて、そのワゴン車の後ろを横切り、ふと立ち止まり、そしてワゴン車の方に戻り、車の左後ろの角の所にそっと佇みました。
ワゴン車は、バックランプをつけたまま、ブレーキランプも赤く光っていました。
爺さんは、しばらくそのまま立っていましたが、やがてワゴン車の左横を通って前の方に歩きました。
ワゴン車は、マーケットの建物にフロントを向けて停まっており、その左先、建物の壁にくっつくように飲料の自動販売機が二つ置いてあります。
爺さんは、ワゴン車の横を通り過ぎ、左側に置かれた販売機の前に体を運びました。
そこまでワゴン車は動きませんでしたが、完全に爺さんが車から離れてから、ゆっくりとバックで出てきて、通路で切り返し、帰って行きました。
爺さんは、販売機の前から離れて、杖以外何も持たずに、右方向に歩き去りました。
ワゴン車のオッサン、慎重で良かった。爺さんにも全く声をかけずに、すうっと出て行きましたが、世の中、危険がいっぱいです。