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「マトリョーシカ・ブラッド」本の紹介

 

マトリョーシカ・ブラッド (文芸書)

マトリョーシカ・ブラッド (文芸書)

 

 

警察小説です。

たくさん刑事が登場します。

ちょっと混乱します。刑事が多すぎて。

どれが主人公なのか、迷います。

三人称で書かれていますが、誰の視点なのか、しばらくわからない時があります。

視点を持っているのは二人。

一人は、神奈川県警のかってのエース、彦坂誠一。地味に事件を追う張込みの達人「ヒコ岩」というアダ名を持つ中年の刑事。

もう一人は、八王子署刑事課の駆け出し坊ちゃん刑事、六條陸。大企業の経営者の次男。刑事になりたくて親を説得して、期限付きで警察官になった。金はあります。豪華マンションに住み、素性の知れない緑色の髪のレイナという女がベッドの横にいるという感じ。

この二人のどちらが主人公なんだという疑問、そして、この事件で六條に付きまとう本庁の変な刑事辰巳とか、キャラクターの濃いのが絡んできます。

もしかして二つの小説を一つに混ぜたのかなという気もするけども。

この事件に関するストーリーを別の主人公で二つ考えて、どっちにしようか迷って、結局主人公を並存させたかな。

視点を持つ二人が、それぞれのストーリーを持ち、最後に一つになっていく。

刑事以外の登場人物も多く、それぞれの持つストーリーがあります。

 

地味に警察小説しているけど、ちょっと違うジャンル、例えば新宿鮫みたいな感じになりそうな可能性も持ちつつ、ギリギリ踏み止まっています。

きれいに整理しきれない感じで、せめて脇を整理してくれよと思うけど、結構面白いです。

 

あらすじでも無いですが

五年前に、行方不明になった男がいた。

行方がわからなくなる前に、その男の愛人だという林美帆という女が警察署に来て、男が嫌がらせを受けているのでと、警護を求めてきた。

その男は香取。新薬「サファリ」を導入して使用した東雲病院の内科部長だった男。サファリの使用により、患者が亡くなり、製薬会社と内科部長との癒着がマスコミに糾弾されていた。

女の相手をした刑事は、彦坂の古い馴染み。一時、部屋を出たら彦坂とぶつかり、相談した。

彦坂は、その内科部長だった香取に対しての反感を持っていて、放っておけよと言った。

 

実際に香取は行方不明になり、警察署は、林美帆を説得して、あの相談は無かったということにした。

 

五年が過ぎたある夜、「五年前に陣馬山に遺体を埋めた」という匿名電話が警察署にかかる。

彦坂は、この夜、当直に入っていた。

 

ということで、香取の遺体が発見される。

そして、再び警察に電話で遺体があるという連絡が入った。

その殺人現場に八王子署のお坊ちゃん刑事六條が行く。

本庁の刑事の案内を仰せつかった六條の前に、ツンツンにおっ立った短髪の刑事辰巳が登場する。

 

という展開で、5年前の新薬「サファリ」による患者死亡事件に絡んだ連続殺人の捜査が、神奈川、八王子、本庁の合同で始まる。

 

てな、感じ。

 

警察としては、警護依頼を無視して、殺人事件に繋がったという事実を隠したい。

そして、さらに複雑な事情が絡んでくる。

 

で、どうなのか

先に書いた通り、整理が仕切れてない感じ、それに冤罪事件が表沙汰になることを避けようとする警察、さらにもっと大きな隠し事があるようで、警察組織の中の大人の事情が絡みます。

謎の女、林美帆ってのも、彦坂を引っ張ります。

結構面白い作品なのですが。

 

これ結構人気になっているようです。

ぼくは、図書館に予約して、結構待って読めました。ぼくの次にこの本を待っている人がいるので、借り出しの延長が出来ませんという状況です。

 

実は、ダン・ブラウンの「オリジン」も予約して、上よりも下の方の予約が少なく、上を読める前に下が来そうなので、下の予約を取り消しておいたら、予想よりも早く上が、この「マトリョーシカ・ブラッド」と同時に来てしまい、こっちも延長不可の状況の中、忙しく二冊読んで、明日返却するのです。