リムジンの小遣い稼ぎ
当時は、ニューヨークの地下鉄は危ないと言われていましたが、平気で乗ってました。
夜も街中をウロウロ歩いてましたし。
ある夜、歩いていると、胴体が長いリムジンがぼくとMくんの横に止まり、
「仕事の帰りだから、行きたいところに乗せて行ってやるよ」と運転手が言うのです。
空で帰るので、小遣い稼ぎをしようというのでしょう。
値段は忘れましたが、安かったのです。
リムジンなんか乗ったことが無いし、ホテルまで乗りました。
後ろのドアを開けて乗り込み、座席に腰を下ろしました。でも、不思議なんですが、ぼくは床にストンと落ちました。
普通の車の感覚で座ったからです。座席はもっと後ろでした。
向かい合わせの座席に座ってみたり、まあ物珍しくて良かったです。
ミュージカル
せっかく来たので、ブロードウェイかオフブロードウェイでミュージカルが観たいとMくん。
そりゃそうだ。
チケット売り場の小屋で、適当にチケット買って行きました。
ダメです。
舞台のセリフや歌詞は、英語的に無理でした。
映画よりはるかに無理。
踊りは素晴らしいのですが。
やはり、ミュージカルは、これを見ようと決めて、それの筋書きはもちろん、その作品に関する事をきめ細かく勉強をした上で見に行くべきでした。
ジャズ
ニューポートジャズフェスティバル以外にも、ジャズクラブみたいな所で生演奏を楽しみたいと、ウロウロしていると、オスカー・ピーターソンのグループの演奏を見つけました。
本当のことを言うと、あまり好きな人ではありませんが、有名どころですから入りました。
一所懸命やっていて、けっこう受けてました。
肝心の山下洋輔トリオのニューポートジャズフェスでの演奏は、だいぶ後の日程です。
街歩き
グリニッジビレッジ、ソーホー、チャイナタウン。
いろんなところを歩き回りました。
ぼくらがうろつくのは、セントラルパークよりも南ですから、あのマンハッタンの半分の面積しかありません。けっこうきめ細かく歩きました。
セントラルパークより北だと、さすがに歩き回る度胸が無かったです。
歩いていると、よく道を聞かれました。
ぼくらの服装が普段着というか、あんまりきれいでもありませんし、マンハッタンはアメリカじゃ無いと言われますが、うろついているアメリカ人達はお上りさんがたくさんいます。
ワシントンスクエアなどでは、街頭コメディアンがパフォーマンスしています。
その中で、ある黒人のコメディアンが気に入って、翌日も見に行ったりしてました。ネタは同じなのですが、面白いのです。何より、笑いのツボがダジャレみたいなのでは無いので、理解できて楽しめるのです。
ちなみに、ぼくは、アメリカンジョークというかシャレみたいなのは、誰が話しても、ほとんど分かりません。
大学の図書館の入口に門番みたいに座っているアルバイトがいたのですが、そいつが通るたんびに冗談を聞かせるのです。しょうもない奴です。
たった一つのネタを除いて、全くわからなかったです。
そろそろ
この他、美術館などにも行きましたが、10日以上いると、さすがにマンハッタンでも少し飽きて来ます。
ぼくは山下洋輔トリオの演奏を聴くまでいようと思っていましたが、Mくんが、もうそろそろと言い出しました。
まあ、山下洋輔は帰国してからも聴けますから、んじゃ、ワシントンD.C.に行こうかということになりました。
チェックアウトして、車を出してもらいました。
ここで、MくんはワシントンD.C.の前に、デラウェア州の以前ぼくが1人で行った所に連れて行ってくれと言い出しました。
そこは田舎町の個人宅です。
そういうアメリカの普通の個人の家に行ってみたいらしいです。
ぼくはそこに電話をかけて、友達を連れて行きたい旨を伝えて、出発しました。