コベントリーのコーヒーショップには、けっこう通いました。
ジェローン以外にも碁をする人は何人かいました。
日本では知らない人と碁を打つなんてしないのですが、いろんな人と対局して、いろんな話をしたりして、これ遊びながらの英語の勉強でした。って、言い訳ぽいですね。
たまにチェスもやりました。
そういう人達から、パーティに誘われたりしたこともありました。
夕方、まだ明るいうちから皆集まりだして、庭に大きなスピーカーを持ち出し、ロックをガンガン鳴らし、ビールなんぞを飲みます。
そういう感じのパーティです。
全部、ぼく一人で行動してたのは、良かったなと思います。日本語使いませんから。
あ、ちょっと話が変わりますが、コベントリーをウロウロしてて、お腹が空いて、何か食べたくなった時に、一本西の道にデリカテッセンがあったのを思い出しました。
店に入ると、頑丈そうなおばさんがいました。
そこらを見渡しているうちに、サンドイッチを頼むことにしました。
ハムとチーズのサンドイッチ。
おばさんは、うなずいて、成形でないハムと、大きなチーズのかたまりを冷蔵庫から取り出し、回転式の電動カッターのスィッチを入れて、どんどん削り出しました。
けっこう時間がかかるし、ぼくの注文以外のこともしているような気がしました。
お母さんに連れられて、店に入ってきた小さな子に、削ったハムを一枚やったりして、だいぶ待たされたのですよ。
ちょっとイラつきました。
どんだけ削るんだ。
でも、結局、その削った大量のハムとチーズは、全部二枚のパンに挟まれて、ぼくの手に渡されたのです。
これだけの量のハムとチーズが、一つのサンドイッチに投入されるのは、その時点のぼくの常識をはるかに超えていました。
これなら、これだけ時間がかかって当たり前でした。
おはさんごめんなさい。
サンドイッチは、すごく美味しかったのを憶えてます。