ラピッド・リーディング
子供の頃、家に少年少女世界文学全集というのがあって、読み漁ったせいか本を読むのが好きでした。
ぼくは、すごく読むのが早くて、それはストーリーを追うのに気が急いて、飛ばし読みみたいなことをしていたのですね。
だって「三銃士」みたいな本だと、それで?次はどうなるの?って急く気持ちになってしまうでしょ。
ページ全体をパッと見て、ストーリー展開に関連する部分だけをさっと読んで、次のページに進む。
どこがストーリーに関係ある部分なのかは、一睨みのうちに判断してました。
こんな読み方、すごくもったいないので、そのうち、しないようにしました。
さて、こういうような本の読み方を、26歳になって再び、ELSの授業で教わりました。
文字を読まずに、ページをパッと見るだけで、あらまし把握して、次に進むようにと言うのです。
Rapid Reading 速読の授業です。
英語の本をこれでやるのは、けっこうキツイです。
ラピッド・リーディングは、さわりだけで、やり方を教える事が目的だったので、少しだけで終わってしまいました。
内容をまとめながら読む
ラピッド・リーディングの方法でなくても、効率よく本を読む事の授業がありました。
本の段落ごとに、内容のごく短いサマリーをメモみたいに本の余白の部分に書いていきながら、読むのです。
メモを出来るだけ短い文章にしなければなりません。
読みながら内容を整理して理解していけます。
ここのELSは、レベル9が終了すれば、英語力としては、そのままケース大学の学生として授業を受けることが出来ることになっています。これはミシガンテストやTOEFLを受けなくても良いという事だけで、大学に入る手続は、ちゃんと必要なんですよ。
ま、だから大学生として授業を受けるためのテクニックは、授業で教えるんでしょうね。
沢山の本を読まなければならない大学生のための授業ですね。
その他の変な授業
レベル8では、リサーチ・ペーパー、日本で言えばレポートですね、を書きました。
自分でテーマを決めて、必要な資料を図書館で調べて、4週間かけてレポートを書いて提出するのです。
それから、みんなで一つの話題について話し合ったり、という授業もありました。
テーマは、結構変わったものでした。
実存主義についてとか。
エクジステンシャリズムと言われて、初めて聞く単語ですが、エクジストだから存在、あ、実存主義かというのは、すぐに分かったのですが、内容をちゃんと勉強したことがありません。
でも、実存主義ならサルトル。サルトルはちゃんと読んだ事ないけど、彼の書いた短編小説はいくつか読んだ。
そう言おうと思ったんですが、「サルトル」というのが通じない。
これフランス語読みですから。
なんとか通じさせようと四苦八苦してると、アメリカに来る前にフランス、ソルボンヌで勉強していたトルコ人の二枚目が、察してくれ、「サター」と言うと教えてくれた。ああ、「ル」という音は「R」なんだと分かりました。
カミュやカフカも話題に出ましたが、こういう人の名前、および作品名は手強いです。
「異邦人」なんてフォリナーって言うと変な顔をされて、やはり二枚目のトルコ人が「エトランゼ」とフランス語風のアクセントで教えてくれました。
悔しい。
ああ、このトルコ人の二枚目、アブドラって言うのですが、ぼくら日本人は、アランドロンと呼んでました。陰のない、良い奴のアランドロン。