散歩していると、時々、ここに来たことがあると思い出す場所に出くわします。
たいがい子供の頃の同級生とかの家があった場所です。
ぼくはそれほど社交的な性格では無いのですが、人の家にはよく遊びに行っていたのですね。不思議です。
この前思い出したのは、同級生の家でした。小学校の同級生だと思います。
どう考えても、彼とは友達づきあいをしていたとは思えないのですが、遊びに来ていたのです。
商店街の中の小さな家で、一階はお店で、二階の道に面した部屋が、その同級生の部屋でした。お店はお母さんがやっていて、彼はお母さんと二人だけで住んでいました。
夏でした。
お母さんが、冷やした番茶のポットと煎餅を出してくれました。
うちは冷えたのは麦茶なので、冷やした番茶というのが珍しく、覚えています。
同級生は「これ美味しいんや」と嬉しそうな顔で、煎餅をすすめてくれました。
そのうれしそうな顔を突然思い出したのです。
今はもう、その家はありません。
けっこう賑やかな場所です。
どこかに引っ越して行ったのでしょう。福井にはいないのかもしれません。